『遺伝子組み替えイネ(祭り晴)』のながれ

愛知県農業総合試験場でのGMイネ開発試験のながれ
(このGMイネは2002年12月、研究の中止が決定されました)

1996年:
県農総試と日本モンサント社との間で、除草剤(ラウンドアップ)耐性のGM*イネ開発試験開始
パーティクルガン法とよばれる方法で、遺伝子組み換え体の作出がおこなわれる。20000カルスにたいし組み換え遺伝子が打ち込まれ、実験室中での培養の過程で選抜作業がおこなわれる。
閉鎖系温室での栽培試験。640の組み換え個体(カルス)から190個体を選抜。
1999年:
非閉鎖系温室での栽培。190系統から『祭り晴れ』6系統を選抜。
2000年:
県農総試内の隔離圃場で安全性評価試験が行なわれる。
2001年:
ひきつづき、隔離圃場での栽培試験続行。
同5月
農林水産省より、環境に対する安全性が確認され一般圃場での栽培試験の認可がおりる。
同6月
県農総試にて、開発中の除草剤耐性GMイネについての説明会開催
同8月
県農総試にて、同説明会。
同9月
隔離圃場でのGMイネ収穫
県議中村友美氏、議会でGMイネについて質問
2002年:
実験室での『GM祭り晴』の種の固定の作業が『戻し交配』という手法で行われる。この作業は02年度中に終了する予定。
同6月
県議かしわぐま光代氏、議会でGMイネについて質問
同7月
『ストップ!遺伝子組み換えイネ全国集会』参加者の要望により、同試験場にて説明会が行なわれる。
『ストップ!遺伝子組み換えイネ全国集会』が行われ、全国から800名の参加。反対署名は32万余筆にのぼる。
愛知県庁にて、反対署名の提出
同8月
愛知経済連への会見。「消費者の望まないものは扱わない」との経済連の見解を得る。
愛知県農試にて説明会。『遺伝子組み換え食品を考える中部の会』の要求による。
さらに栽培試験は、隔離圃場と一般圃場で行なわれる。
隔離圃場では
作出された『祭り晴』を最終2系統にしぼり、その種子を取るための栽培が行われた。9月収穫
一般圃場では
実際の乾田直播栽培を想定しての、試験が行われる。除草剤ラウンドアップを始め、その他の水田除草剤を併用しての試験となった。除草剤の使用回数、タイミングなどのテストが進められ、確実に実用化の方向へ進行中。

環境への影響の配慮から、イネの開花以前に試験栽培を終了し、ここで栽培された『GM祭り晴』は、除草剤『バスタ(アヴェンティス社)』で枯死させたのち、同圃場に打ち込まれた。

同11月
ふたたび、名古屋にて『第2回 ストップ!遺伝子組み換えイネ全国集会』が行われる。参加者500名に加え、反対署名25万余を集める。
前回での署名との累計58万筆が愛知県と愛知県農試に提出される
同12月
県議中村友美氏、定例議会で質問。農水部長よりGMイネの研究中止の回答を得る。

以上のような経過により、愛知県農業総合試験場とモンサント社による『除草剤耐性遺伝子組み換えイネ(祭り晴)』の研究開発は2003年3月をもって中止されることになりました。

本文中印の付いた語句については、注釈をごらんください。