シンポジウム
日時:
2005/08/16(土)
場所:
名古屋市教育館

04年の冬に行なったシンポジウムでは、食の安全のためには輸入の食糧に頼るのではなく、地産地消を第一に考えた食、経済構造を基本にしなくてはならない。という結論に達しました。そしてそのためには、『食育』が正しくおこなわれなくてはならない。学校給食はそのもっとも有効な場であるということで締めくくられました。その後自治労名古屋学校給食支部の協力を得て、愛知県と名古屋市との会見を試みました。

その結果、いずれも『食育』と『地産地消』がおなじ場で、行政として実践の方向にすえられていることを知りました。

今回のシンポジウムは、まさにそのふたつの命題について、明快な解答が得られればという期待の込められたものとなっています。


シンポジウムに参加していただいた方々のプロフィール


基調講演:幕内秀夫

フード&ヘルス研究所長。管理栄養士。医療、健康、教育、美容関係者を対象とした[平成・食生活塾]を主宰するほか、帯津三敬病院、松柏堂医院などにおいて食事相談を担当。
主な著書に『癒しの食事学』(帯津良一と共著)、『粗食のすすめ 実践マニュアル』、オールカラーの『粗食のすすめ レシピ集』(いずれも東洋経済新報社)ほか。




パネラー:梶田初美
愛知県園芸農産課主任主査

愛知県での給食関係の農産物の供給促進。米・麦・大豆の生産振興の仕事をしている。
県農産物啓発推進事業
県産米供給促進事業
県産農産物導入促進モデル事業
を立ち上げ、県産農産物を学校給食に組み入れ、地産地消・食育の推進をしている。

パネラー:阪野吉雄
名古屋市教育委員会学校保険課

主に市内260校の小学校の給食を担当。
H16より、名古屋地産地消推進協議会を立ち上げ、学校給食への市内産農産物の利用/生産の拡大、品質の管理/米飯給食の拡大による食料自給率の向上/給食を通した食農教育/食物残渣のリサイクルの推進などを推進。

パネラー:和田典子
自治労名古屋学校給食支部

名古屋市緑区大清水小学校で調理員として勤務。名古屋市の学校給食献立作成委員。
安全でおいしい学校給食、食育のため努力している。名古屋市の小学校の12万6千食の給食を地産地消でまかなうのはむつかしいので、名古屋16区を5つに分けている。さらに柔軟性をもたせ、より充実したかたちでの地産地消を取り入れてゆきたい。


コーディネーター:河田昌東
四日市大学講師

日本の遺伝子組み換え反対運動において、ブレイン的存在。明快で論理的な発言には説得力があり定評がある。現在、輸入ナタネのこぼれ落ち自生の問題に取り組み、市民団体を指揮しての自主調査を進めている。各地での講演、野外調査、関係の行政、企業への働きかけのため奔走。


基調講演:幕内秀夫氏
 『学校給食と子どもの健康を考える会』を作り運動しているが、家庭での食事を変えることは非常にむつかしい。
 日本が取り上げてきた栄養学はドイツから紹介されたもので、本来日本の風土とは合わない。日本は栄養改善普及運動をドイツ式で行なったことが、日本の食を崩壊させる原因にもなった。
 食糧事情が悪かった当時は仕方のないことだったが、いまだに学校給食にパンというのはおかしい。パン食のいちばんの問題は、油と砂糖が付いてまわってしまう点だ。そのおかげで過去50年の間に不健康な子どもを増やしてしまった。
 最近食品の安全性が問われているが、ポストハーベストや狂牛病、遺伝子組み換えなどの問題は、すべて輸入の小麦とトウモロコシなどが原因となっている。
 食育の場である学校給食で食事を教えてゆく以外に方法がない。全国的にも、100%米飯給食に切り替えている自治体も増えてきている。
 地産地消、食料自給率の回復のためには、まず学校給食の米飯化しかないだろう。
基調講演の詳細はこちら


今、学校給食が食育のためにいかに重要な意味を持つかということについては、どの自治体もが認めるところでしょう。

地産地消を進める意味で米飯給食は基本的なかたちです。一週間5日のうち、米飯給食の日は全国平均で2.5日です。その値は少しづつ改善されてはいますが、地産地消を実行するためには週5日の米飯給食が望まれます。

幕内氏によれば、学校給食での米飯化が確立することで、食料自給率は間違いなく回復するし、食の安全、失われつつある子どもたちの健康もまちがいなく改善される。

にもかかわらず、学校給食の米飯化は画期的な速さで進んでいるとはいえません。米飯化すべきことはすでにだれもが認めるところです。この場に及んで、やるのかやらないのかという段階で二の足を踏んでいてはどうにもならないのではないでしょうか。要するに考えることは何もないだろう、ということではないでしょうか。

改革に『痛み』はついてまわるものです。






主 催:『学校給食からはじまる地産地消
シンポジウム実行委員会』
事務局:名古屋生活クラブ(代表 伊澤眞一)

連絡先:中部よつ葉会
住 所:愛知県名古屋市東区葵1丁目14−3
TEL:052−937−4817
Eメール:nonchan-milk@athena.ocn.ne.jp