Nature online 

22 July 2002

Vol 20,No.8,p795

長期間培養細胞の核でゼブラ・フィッシュのクローン化成功

 

Ki-Young Lee1, 2, Haigen Huang1, Bensheng Ju1, Zhongan Yang1 & Shuo Lin1
1. Department of Molecular, Cellular, and Developmental Biology, University of California Los Angeles, Los Angeles, CA 90095-1606.
2. School of Agricultural Biotechnology, Seoul National University, Seoul, Korea, 151-742.
Correspondence should be addressed to S Lin. e-mail: shuolin@ucla.edu

訳 河田昌東

遺伝子操作した培養細胞によるクローン化は哺乳動物では成功しているが、下等脊椎動物では同様の実験は成功していなかった。今回、我々は長期間培養した胚性フィブロブラスト(繊維芽細胞)を使った核移植によって繁殖力のある遺伝子組換えゼブラフィッシュ作出に成功したことを報告する。ドナーの核はレトロウイルス挿入で緑色蛍光蛋白質(GFP)を発現するように遺伝子組換えされ、手作業で除核した卵細胞に移植した。全体では成功率は2%で、GFPを発現する組換えゼブラフィッシュの成体は11匹出来た。これらは何れも繁殖力があって2倍体の子どもを作り、F1、F2の子孫も初代組換え体と同様のパターンでGFPを発現し続けた。この発見は、培養細胞のゆっくり分裂する核も急激な胚発生を維持できるよう再プログラム化できること、ゼブラフィッシュの標的を定めた遺伝子操作の基礎が確立出来たことを証明している。

 

 

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