米農務省 輸出用GMの分別を検討
ニューサイエンティスト(UK)
2002年8月17日
ロビン・オーウェント
訳 山田勝巳
海外のバイヤーをなだめるためにアメリカからのトウモロコシと大豆輸出品にGM製品とは分別していることを証明するスタンプを押した物が出てくる可能性がある。
米農務省は先週GM作物反対や表示を求めるEU諸国その他に対し、輸出業者を支援する意味で自主的に証明する制度を作ることを検討していると発表した。 既に分別手続きをしている事業者もいるが、提案された方法では農務省の役人が基準にあっているか検査を行う。 「GMOが入っていないという表示にはならない。手続き通りに行われていることを証明する物だ。」と農務省広報のジェリー・レディングは話す。
農産物供給者は、作付けから収穫、加工、輸送までの工程でGM原料が混ざらないように適切な方法が取られているかを連邦検査官によって検査してもらうことができる。 今年始め、欧州議会は輸出者が食品の大元まで追跡できるようにするこれまでよりもかなり入念なシステムを要求する決議をした。経費が高く現実的でないと多くから非難されているが、法制化するには更なる議決を経なければならない。
反GM活動家ジェレミィ・リフキンは、農務省の認証制度は輸出者やEUの輸入者にとって殆ど意味がないと考えている。しかし、GM作物の分別が、可能であり、やる価値がある事を正式に認めることになると見ている。「農務省はずっと分別という考え方に抵抗してきたのでこれは大きな譲歩だ。嫌だという人に食べるよう強要できないことに気付き始めている。」 全米コーン生産者組合の開発部長トム・スレネカは、輸出事業者はこの認証制度が有効な事が分かるだろうという一方農務省が絡む必要があるのか疑問を持っている。「しかし、標準化するという考えはよい方向だと思う。」と話す。