ブラジル大豆業界に特許料の徴収をさせるモンサント
クロップチョイスニュース
2003年7月14日
訳 山田勝巳
サン・パウロ発
ラウンドアップレディ大豆の不法栽培者からの特許料を徴収させようとしているモンサントに対し、ブラジルの大豆業界は反発している。「モンサントに代わって不法栽培者から特許料を徴収しろというのは不当な要求だ。」とブラジル植物油業界団体の代表カーロ・ロバテリは反発している。
7月までに輸出業者に対し2003-2004年の大豆分についての特許料契約に署名することを求めている。8月以降には、署名しない輸出業者の船荷は、特許が有効な国(殆どのヨーロッパの国、日本、アメリカ、カナダ)で通関出来なくしてもらい、GMOが検出された場合は海賊品として処分されると警告を出した。 しかし、ロバテリは90%の粉砕業を構成するAbiove会員企業は署名していないしする予定もないという。モンサントは船荷を止めることは出来ないし、輸入港ではそんなことはめったに起こらないし、輸入業者も取引にモンサントの契約は不要だといっている。
モンサントが来年から特許料を課す決定をしたのは世界第二位の大豆生産国で不法な生産が急速に広がっているためだ。この大豆の殆どがRR大豆でアルゼンチンやパラグアイで不法に植えられたものが密輸されて栽培されている。ロバテリはモンサントの役員と7月17日の木曜に会談し特許料問題を話し合う。彼は、次の収穫がある前に政府がGMOを法制化する可能性があるので少し我慢すべきだとコメントしている。
モンサントが船を止めて特許料徴収を強行するなら、輸出企業は対抗するし船主も多国籍大企業だと付け加えた。ブラジルの約35社で全大豆輸出量の95%を占めている。モンサントはブラジルの主要大豆輸入国(1/3)である中国でRR大豆の特許を持っていない。