2002年の事件以降再び薬用作物の秘密栽培が増加

 

有機消費者協会HP

04年6月1日(サンフランシスコ発AP)

http://www.tallahassee.com/mld/tallahassee/business/industries/8811681.htm

訳 河田昌東

 

 バイオテクノロジー企業は昨年ほとんど見込みがないと思われた、人間の遺伝子を作物に導入する研究をひそかに増やしつづけている、とワシントンに本拠を置く政策提言グループが水曜日(明日)報告する。この動きは、あるテキサスの企業が薬用作物を通常の作物に混ぜてしまう、という事故をおこして大騒ぎになり、大手食品メーカーがそうした実験にもっと厳しい規制をするよう求めたり、バイテクの王者モンサント社がこの分野の研究を放棄すると発表して1年以上たってやってきた。ワシントンに本拠を置く民間団体「公益のための科学センター」の研究によれば、連邦政府のこれら薬用作物――しばしばバイオファーミングと呼ばれている―――の野外栽培認可の数は昨年同時期に比べ、過去12ヶ月にほぼ2倍に増加している。「薬用作物企業はビジネスに戻っている」と同報告書は合衆国農務省が公表したデータに基づき結論している。

 農務省は2003年5月から2004年4月までの間に同省が受理した16件の申請のうち7件を認可した。未認可となった9件はすべて過去4ヶ月に提出されたものばかりで、報告書の著者グレッグ・ジャフによればこれらの申請も数週間以内には認可が下りるだろうという。農務省が2000年以来認可を拒否したのはたった2件しかないのだから、とジャフは言った。農務省は1995年以来国内における薬用作物の試験栽培を300件以上認可した。2002年6月末までには年間平均約25件認可してきたが、その後12ヶ月間はたった4件しか認可が無かった。

 遺伝子組換え作物で作られた人間用医薬品で商業利用に認可されたものはまだなく、ほとんどの申請は1エーカー未満の小規模野外栽培である、と農務省は言った。しかし、現在の農務省の規制はあまりにもいいかげんで十分公開されていない、とジャフやその他の批判者たちは批判している。例えば大半の申請は試験栽培で何エーカーの面積に栽培するのかとか、正確にはどこに薬用作物を栽培するのか、といったことをきちんと特定していないので、気にする在来農家が自分の作物が受粉する可能のあるバイテク品種が近所で栽培されていないかどうか知ることが出来ない。

 いくつかの小さなバイテク企業と大学の研究者らがインシュリンやワクチンなどを安価に作ろうとして、それらの人間のタンパク質をつくる遺伝子をコーンやコメ、タバコなどの作物に導入している。人間の遺伝子は作物にそれ自身のタンパク質を作らせ、それが作物から抽出され薬品に製品化される。スタンフォード大学では、昨年16名のリンパ腫の患者が、ラージスケール・バイオロジー社が作った遺伝子組換えタバコから抽出した実験的な抗がん剤で治療を受けた。これは遺伝子組換え植物からとった医薬品を人間に使用した最初の例である。このバイテク分野は、もし食品への混入事件が起こった場合、安全性を確保するには十分な研究が行われていないと恐れる遺伝子操作反対派の継続的な攻撃にもかかわらず、過去10年間確実に成長してきた。こうした薬用農業は2002年末に農務省が、テキサスのプロデイジーン社に20万ドルの罰金を課し、さらに豚のワクチン用遺伝子組換えコーンが混入した食用大豆を買い上げて廃棄するための費用300万ドルを支払うよう命じたことで劇的な後退を余儀なくされた。それ以来、ラージスケール・バイオロジー社は厳しい財政状況に陥り、リンパ腫の実験を継続できなくなっていた。

 食用バイテク作物を支持し、コカコーラ社、ネッスル社、その他数十社の5000億ドルの食品産業を代表するグロッサリー・マニュファクチャラーズ・オブ・アメリカは農務省に対して薬用作物と特に非食用作物の実験を行う企業に対する規制をもっと厳しくするように求めた。昨年、世界最大のバイテク農業企業のモンサント社は薬用作物分野から撤退すると発表した。 そして今年の4月、カリフォルニアの規制当局はサクラメントのベントリア・バイオサイエンス社から出されたヒト遺伝子で組換えを行ったイネの栽培許可申請に対して、カリフォルニアの農家が国際的な消費者が汚染を恐れて自分たちのコメを買わないようになると発言したことを受けて、この栽培認可を拒否した。

 膨らみつつある懸念に対し、農務省は今後3週間以内に改定版の見解を公表し、1998年以来始めて薬用作物の申請に関する情報をもっと公開し、商業化に向けた大規模栽培プロジェクトに対し、詳細な環境影響評価を求める、と同省のバイテク規制副長官のシンデイ・スミスは語った。スミス氏は、今年テキサスで薬用コーンを栽培する計画の認可が延期された2つの申請で、最も厳格な環境評価を行うことになる最初の企業だろう、と語った。プロデイジーン社の広報担当者は電話取材に応じなかった。

 

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