遺伝子組み換え大豆は耐性雑草が問題
ザ・ジャーナル・スター
ステーブ・ターター記者
2003年7月8日
訳 河田昌東
イリノイ州ペオリア発
アイオワ州立大学の農学者がラウンドアップ・レデイ種子のメーカーのモンサント社に手紙を出し、耐性雑草が問題だと指摘した。現実に、今やアメリカ産大豆の80%を占めるラウンドアップ耐性大豆のような遺伝子組み換え生物では雑草の耐性が問題である。ラウンドアップ耐性の豆を栽培している農家は、畑を植物の成長に必要な特定の酵素を阻害して雑草を殺す化学薬剤グリフォサートで処理する。この酵素がないと植物は生長に必須のタンパク質を作ることが出来ず、死んでしまう。大多数の植物はこの酵素を持っているので、ほとんどの雑草はラウンドアップに負けてしまう。しかし、全部ではない。
ラウンドアップ耐性大豆が広がった理由として農家が挙げるのは、畑をグリフォサートで一回だけ処理すれば良い、ということだ。それは大豆を傷つけないし、色々な他の除草剤を撒く手間がかからず、コストも時間も削減できるからである。しかし、今や国中に除草剤耐性雑草が増えてきた、とアイオワ州の地区雑草管理専門家ボブ・ハーツラーは言った。ハーツラーは、モンサントが消費者に対して耐性雑草は問題でない、と何度も念押ししたのを考え直す、と示唆した。「もし、雑草が死んだのなら種子は作らないはずだ」とモンサントのデービド・ハーリングは「ファーム・インダストリー・ニュース」に語り、同社が耐性問題を心配することなく28年間もグリフォサートを使ってきた、と指摘した。しかし、ハーツラーによればグリフォサート耐性はますます広がっている。「グリフォサート耐性がアイオワ州で広がれば、グリフォサート耐性雑草を駆除するのに生産者はコストがかかるだろう。ほとんど全ての雑草科学者は、今のようなグリフォサートの使い方を続ければ耐性種の出現は避けられない、という意見で一致している。今、我々は自然がモンサントの科学者達の努力を倍にしてお返し出来る、という証拠をたくさん掴んでいる。だから、もう除草に対する考え方を変える必要があるんだ」とハーツラーは言った。
イリノイ大学の雑草科学者クリステイ・スプラグは耐性雑草が増えている、という意見に同意した。「同じ除草剤を何べんも繰り返し使っているから、耐性雑草はますます増えている」と彼女は言う。農家は除草剤散布後に畑を捜索しなければならない。そうしなければ彼らにとって耐性雑草問題がさらに大きくなるだろう、と彼女は言った。「もし除草剤が効かないと分かったら、何故そうなったかを知ることが大事だ」と彼女は付け加えた。