vCJDの感染率は高いかもしれないと科学者達が警告

http://www.guardian.co.uk/print/0,,329443494-103527,00.html

 

ポリー・カーチス、保健問題担当

2006年3月27日

ガーディアン

訳 小森冬彦

 

全人口の中の「かなりの割合」が知らないうちに変異型CJDに感染していることもあり得る、と主張する科学者達がいる。彼らの研究は、変異型CJDがこれまで考えられていたよりも容易にヒトの間で移ることを明らかにしている。

vCJD−狂牛病のヒト版−に感染している人数の予測については、数百人から数十万人までの幅で意見が分かれている。 遺伝的にこの病気にかかりやすい体質の人がいると一般に理解されているが、本日ランセット・ニューロロジー(神経医学)に掲載された研究によれば、関連するヒト型の遺伝子多型を備えたマウスの全てが、程度の差はあるものの、感染血液の輸血によってヒトの間で移るvCJDに対する感受性を示した。

 

この論文は次のように結論している。「誰しもが…輸血などの経路によって二次的にvCJDを移される可能性がある。長期に亘る症状発現前の状態がこの動物モデルによって予測できる。この動物モデルは、症状発現前のヒトから他のヒトへさらに病気が移る危険性を示しており、ひいては公衆衛生上の重大な問題を提起していると言えるだろう」。 この研究は、汚染した肉を介して動物からヒトへ病気が移る可能性が低いことを裏付けたが、それと同時に、ヒトからヒトへの場合は、汚染した血液製剤や外科手術の器具を介して、今まで考えられていたより容易に病気が移り得ることも示唆している。

 

国立CJD探索部局とエジンバラの動物衛生研究所によれば、英国ではこれまでvCJDの症例が161人報告されている。 この脳変性疾患は進行性の認知機能欠損をもたらし、ほとんどの場合は死に至る。潜伏期間は15年に及ぶとされている。 1990年代に安全性対策が導入されてから、汚染肉を介したvCJD感染例は大幅に減少したと信じられている。 しかし科学者達は、汚染した外科手術用器具や輸血を介してvCJDに思いがけず感染してしまうことによる患者数増加の第二波が、これから到来するのではないかと怖れている。

 

現在政府はvCJDの潜在的な患者数を知るために、検死解剖の機会を利用して、亡くなった人が病気のキャリアーだったどうか検査・選別する方法を検討している。

 

 

 

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