「遺伝子組換えの子どもを増やすべきだ」とジェームス・ワトソンが発言http://www.smh.com.au/articles/2003/03/01/1046407801233.html
ノーベル賞受賞者が知恵遅れの遺伝子治療の旗をふる
ザ・サンフェラルド(ngin bulletin archive より)
2003 年3月 2 日
訳 河田昌東
50年前にDNAの構造を解明してノーベル賞を受賞したアメリカの生物学者ジェームス・ワトソンが遺伝学を使って知恵遅れを治療すべきだ、と来月放映される予定のドキュメンタリー・テレビ番組で提唱した。 医学的に精神的発達障害をもたないが知能の低い人々は、嚢胞性繊維症や血友病などのような遺伝病を患っている。イギリスの新聞によればワトソン教授はこのシリーズ番組でこういった。
今週始まったシリーズで、75歳のワトソン教授は知恵遅れが学習障害や貧困の原因だという説は疑問だと言い、真の知的身体的遅れの原因は遺伝的な場合が多い、と言った。「もし、貴方が本当に知恵遅れなら、私はそれを病気と呼ぶ。真に困難な、小学校さえ難しい下位10%の子どもは・・・その原因は何ですか」とワトソンは問う。「たいていの人はこう言うだろう。そう、貧困などが原因だ。恐らくそれは正しくない。だから私はその原因を取り除きたいと思う。10%の貧困層を助けるために。」と彼は言う。 ワトソン教授はそうした人々が機会に恵まれないのはフェアじゃない、遺伝的手段に助けを求める人もいるだろう、と言う。 彼は両親が遺伝的に優れている子どもが世界を支配する人になるだろう、という。美人も、ワトソン教授によれば、遺伝子組換えで出来るだろう、という。「全ての女の子を美人にするのは恐ろしいことだと言う人がいるかもしれないが、私はすばらしいことだと思う」と彼は言う。
臨床心理学者で作家のオリバー・ジェームスはワトソン教授を非難し、それは自然のバランスを欠いた気持ちの悪い考えだ、教授のアイデアは科学フィクションに過ぎない、と言う。ニューカッスル大学の生命倫理学者、トム・シェークスピアはタイムズ紙に次のように言った。「彼は多くの人々が正常な人間のバリエーションの範囲だと考えるものを変えるといっているのだ。それは間違っていると私は思う」「私は彼がヒト・ゲノム計画におけるリーダーシップと1953年の発見のもかかわらす、何か善意以上のことを行ってしまうことが恐ろしい」とシェークスピアは言う。ヒト・ゲノム計画の英国の責任者ジョン・サルストン卿は「彼は極端に危険な領域に足を踏み入れようとしている」と言ったがその議論自体は悪くない、とも付け加えた。「頭を砂の中に突っ込むのはばかげている。」と彼は言う。
ワトソン教授とフランシス・クリック教授は1962年に同時にノーベル医学生理学賞を受賞した。DNAの二重ラセンが1953年4月に発表されてからほぼ10年経ってからである。この発見自体は2月28日で2ヶ月前であった。「あの発見はその日突然あったことで、一週間もかかってゆっくり見つけたわけではない」とワトソン教授はかつてBBC放送に話したことがある。「それは単純なことだった。このアイデアはすぐに誰にでも説明できる。遺伝子の複製する仕組みを説明するのに能力の優れた科学者である必要はない」