ターミネーター技術とエキソシスト技術;新たな問題と昔ながらの争点
ETC グループ
2003年4月1日
訳 山田勝巳
ETCグループは、種子不稔化技術開発を取り巻く新たな問題と争点をまとめた報告書「ターミネーター技術:5年後の今」を本日リリースします。 ターミネーター技術は農民が種を保存して使う権利を奪い商業種子市場に頼らざるを得なくする生物システムです。
同時に「エキソシスト技術」というバイテク業界がGM反対論者を黙らせるために開発した(不稔化の)組込みDNAを収穫前に化学的に発現させ振り落とす技術です。 「エキソシストは新しい技術だが、バイテク業界が農民や社会に負担を全て負わせるという意味では旧来の戦略のまま。 もし、遺伝子の流動が問題であれば、農民は化学誘発剤を使用して有害な組み換え遺伝子を排除せざるを得ない。 これは、流出し易い遺伝子の問題と公益にたいする対策のための新たなバイテク業界のトリックだ。」とETCグループのホープ・シャンドは説明する。
「今でも新規のターミネーター特許申請があります。今回はシンジェンタで、種子業界とUS農務省は、小農や貧しい人々に恩恵があると強気で称揚しているのです。」とシャンドはいう。
「もっと危険なのは、業界がターミネーターをバイオセーフティを確保するための技術であるとまやかしの販促をしていることです。これはバイテク業界のトロイの木馬です。 もし、ターミネーターがバイオセーフティの仮面を被って一般に受け入れられた場合、農家が自家採種して使うことを止めさせる独占の道具として至る所で使われるようになるでしょう。」とETCグループのジム・トーマスは話す。
育種家の権利を擁護する国際組織UPOVでさえターミネーターは、「社会の重大な不利益になる」と認めている。最近出たUPOVのメモで、ターミネーターは遺伝子源へのアクセスを妨げるものだと解説している。
貿易、農業、環境大臣達が、6月23-25日に開かれるサクラメント農学技術大臣級会談へのアメリカ政府の招聘を受けるなら、ETCグループはアメリカ政府をターミネーター技術の開発、特許、認可した責任を問う。 この会談はアメリカ農務省(ターミネーター特許を三つ持っている)、国際開発庁、国務省が主催する。「もしアメリカ政府がカンクンで開かれるWTO大臣会談に向けて、南の諸国のためだといって新たに問題の農業技術を披露するつもりなら、この反農民、反多様性技術を自家採種でやっている14億の途上国農民に使うことを支持する理由の説明から始めるべきだ。」とETCグループのシルビア・リベイロは助言する。
五年経った今もターミネーターは廃止されていない。 何百という市民団体、農民、世界中の現地人組織と共に、ETCグループは唯一の解決策として各国政府が自殺種子を世界的に禁止することしかないと考える。
ターミネーターの今の10ページ全文は:http://www.etcgroup.org
詳細問い合わせ:シルビア・リベイロ, ETC Group (Mexico) silvia@etcgroup.org
ホープ・シャンド, ETC Group (USA) hope@etcgroup.org
ジム・トーマス, ETC Group (UK) jim@etcgroup.org