ISIS レポート

2002年8月1日

訳 山田勝巳

 

調理食品中のアクリルアミドはグリフォサートによるものだ

 

調理食品に毒性のアクリルアミドが検出され警告が出されたが、

これはグリフォサートによるものだとジョー・カミンズ教授は暴く。

 

アクリルアミドは、ポリアクリルアミドというポリマーの素材で、このポリマーは分子生物学実験室では蛋白質のアミノ酸配列を分析したり、蛋白質を同定したりするために、電気泳動でDNA断片を分離するために使われるゲル化マトリクスとして知られている。また、一般には、水処理で浮遊有機物を凝集するためにポリアクリルアミドが使われている。 

最近世界保健機構(WHO)の内部会議で調理した野菜に問題レベルのアクリルアミドが見つかっていることが話し合われた〔1〕。 アクリルアミド(訳注:単量体モノマー)は人の神経毒で生殖にも影響があり、動物に奇形や癌を引き起こすため、この発見は今世界中の注目を集めている。 WHOのプレス・リリースでは、アクリルアミドの発見は予期しなかったことで、おそらく調理の際に生成されたのだろうという。

 

おかしな事に、WHOの発表では、ポリアクリルアミドが市販の除草剤の飛散防止用(訳註:展着剤)に25−35%の割合で混合されている良く知られた添加物であることに言及しなかった〔2〕。 モンサント社のグリフォサート(ラウンドアップ)は特に問題で、この除草剤はポリマーと反応性がある〔2−4〕。 ポリアクリルアミドからアクリルアミドが熱と光で分離することが実験室で確かめられており、グリフォサートはポリアクリルアミドの分解性を助長することが分かっており、二剤を混ぜるときには注意が求められている。

 

アクリルアミドは環境中にあるポリアクリルアミドから遊離したものでそのもとは大部分グリフォサートの除草剤成分であるという証拠には説得力がある。除草剤耐性のある作物に使われたり、一般作物の土壌処理に使われたグリフォサート除草剤に曝された野菜を調理するとアクリルアミドを放出することになる。 さらに拙いことに、ポリアクリルアミドは北米では’企業秘密’となっており、除草剤の調合内容に関する情報は一般には手に入らない。

 

WHOがポリアクリルアミドと除草剤の関係を知らぬふりをしたのは驚きだ。WHOも市民に本当の事実を知らせるためには巨大除草剤企業以外の独立した専門家に相談するよう努力すべきだ。

 

 

文献

1.. Weiss G. Acrylamide in food: Uncharted territory. Science 2002,297,27.

2.. Smith E, Prues S and Ochme F. Environmental degradation of polyacrylamides: Effect of artificial environmental conditions. Ecotoxicology and Environmental Safety 1996, 35,121-35.

3.. Smith E, Prues S and Ochme F. Environmental degradation of polyacrylamides: II Effects of outdoor exposure. Ecotoxicology and Environmetal Safety 1997, 37,76-91.

4.. Fischer K, Kotalik J and Kettrup A. Determination of acrylamide monomer in polyacrylamide degradation studies by high performance liquid chromatography. Journal of Chromatographic Science 1999, 37,486-94

参考:http://www.jicosh.gr.jp/Japanese/country/sweden/topics/acrylamide.html

 

 

戻るTOPへ