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平成15年12月19日 |
組換え体利用飼料の検査結果について
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遺伝子組換え体とうもろこしであるスターリンクについては、平成12年4月以降肥飼料検査所において、我が国に輸入される飼料用とうもろこし中の混入検査を実施してきたところです。 |
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(別添)
1 経緯
(1)米国において飼料用としての安全性は確認されているが、食品としての安全性が未確認となっている遺伝子組換え体とうもろこしであるスターリンクについて、我が国において食品から検出されたとの指摘が平成12年にあった。
我が国はスターリンクについて食品及び飼料としての安全性評価を行っていなかった。
(2)このため、
@ 平成12年4月輸入分から、農林水産省肥飼料検査所(平成13 4月に独立行政法人化)において飼料用とうもろこし中のスターリンク混入について検査を開始するとともに、
A
平成12年12月に、日本に輸出される飼料用とうもろこしへスターリンク混入を防止するため、米国において輸出前検査を実施することについて日米間で合意、さらに、
B
本年4月1日に、飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省(昭和51年農林水産省令第35号。以下「成分規格等省令」という。)を改正し、組換え体利用飼料について農林水産大臣による安全性の確認が義務付けた。成分規格等省令においては、我が国と同等又はそれ以上の水準の安全性に関する審査の制度を有する外国政府の審査により安全性が確認されているものについては1%以下の混入を認めている。
(3)なお、スターリンクについて、現在までのところ、成分規格等省令に基づく安全性の確認の申請はなされていない。
また、スターリンクの組換え遺伝子及びそれによって生じたたん白質が畜産物中に移行しないこと等については給与試験により確認されている。
2 検査結果
(1)検査対象
飼料原料であるとうもろこし
(2)検査実施主体
独立行政法人肥飼料検査所
(3)検査方法
PCR法及びELISA法
(4)結果の概要
スターリンクの混入については陽性率及び混入率とも低下傾向にあり平成15年度上半期では陽性率で3.9%、混入率で0.04%となって(詳細は別紙のとおり)。なお、今回の検査で成分規格等省令混入が認められていない1%を超える混入を示したものはなかった。
注)陽性率:陽性検体数/検査検体数
混入率:陽性検体中に含まれスターリンクの割合(陽性検体中の平均値)で、 ELISA法で測定。
(別紙)
採取時期 |
陽性率 |
混入率 |
12年度上半期 |
20/30 |
0.51% |
12年度下半期 |
34/72 |
0.17% |
13年度上半期 |
8/53 |
0.05% |
13年度下半期 |
5/45 |
0.09% |
14年度上半期 |
4/42 |
0.10% |
14年度下半期 |
5/69 |
0.15% |
15年度上半期 |
3/77 |
0.04% |
注1) 太字が今回公表部分。なお、今回の検査で1%を超えるスターリンクリンクの混入を示したものはなかった。
2)陽性率:陽性検体数/検査検体数
3)混入率:陽性検体中に含まれスターリンクの割合(陽性検体
中の平均値)で、ELISA法で測定。
(参考)
スターリンクについては、消費者及び畜産農家等への情報提供を行うを目的として、家畜への給与試験を実施済みである。
この結果、ブロイラー、採卵鶏、乳牛及び肉豚のいずれについても健康状態、畜産物の生産性に異常は認められず、畜産物中への組換DNA及びこれによって生産されるたん白質であるCry9Cの移行も認められなかった(平成13年公表済み)。
畜種 |
試験設定 |
健康状態 |
畜産物(乳、肉、卵) |
畜産物中の |
公表時期 |
ブロイラー |
128羽 |
異常なし |
異常なし |
検出せず |
13年 2月 2日 |
採卵鶏 |
100羽 |
異常なし |
異常なし |
検出せず |
13年 4月 6日 |
乳牛 |
4頭 |
異常なし |
異常なし |
検出せず |
13年 4月 6日 |
肉豚 |
20頭 |
異常なし |
異常なし |
検出せず |
13年 7月19日 |
注1)試験はいずれも社団法人日本科学飼料協会において実施
2)試験設定欄の頭羽数については試験(スターリンク給与)区のものであり、これとは別に同数の頭羽数の対照(スターリンク無給与)区が設けられている。