02年9月5日

訳 山田勝巳

 

 スターバックがメキシコ市に初めての店を開くに当たって、国際交流や有機消費者協会(OCA)は、スターバックスではなくメキシコ人の店でフェア・トレード・コーヒーを注文するよう呼びかけている。 同時にアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、ニュージーランド、オーストラリア、イスラエル、メキシコの活動家に対し、真面目にフェア・トレード品を使って有機コーヒーを出すよう400近くのスターバックスの店の前で9月21−28日の間OCAが抗議行動を計画している。

 

  スターバックスが世界的に拡大する中で、コーヒー価格は生産費以下を横這いし続けている。 このため何百万ものコーヒー農家を貧困や飢餓に追いやり、農場から逃げ出して都市や他の国へ行くことを余儀なくさせている。 2001年の第一四半期にスターバックスが40%の収益拡大を祝っている間も、毎週500家族がメキシコのチアパスにあるコーヒー農場から仕事を探すために出ている。 スターバックスのような企業は、たった50セント/ポンドで購入したコーヒーを11ドル/ポンド又は一杯1ドルで売って差益を儲けている。

 

  コーヒー危機は、フェア・トレードによる新たな緊急支援が必要である。フェア・トレードでは、小さな農家の収穫に対し$1.26/ポンドを約束して持続的生産法を奨励し、保健や教育などの最低限のものが賄える価格になっている。 このようなフェア・トレードが現在21カ国で55万家族を支えており、地峡域村落組合(UCIRI)は5000家族以上が参加している。 フェア・トレードによって得られた収益は学校や保健サービス費用を賄ったり、土着の文化を支援したりしている。 この協同組合は、この地域で唯一のバス路線、中学校、農機具金物店、共同コーン製粉場を造ったり、農業普及研修、そして会計訓練などを行ってきた。

 

  しかし、スターバックスはこのような責任ある購買法をきちんと取っていない。 アメリカでこの会社が扱っているファエ・トレード品は、総売上の僅か1%にしかなっておらず、他の大手と比較にならないほど低く、またフェア・トレード・コーヒーを扱っているアメリカの130社の最低取扱量5%に比べても低過ぎる。

 スターバックスは、フェア・トレード品を扱うことを契約しているが、メキシコの店舗ではどれくらいの量を使うのかは今後を見守る必要がある。 国際交流のメリッサ・シュワイスグスは、「コーヒー生産農家は、スターバックスにフェア・トレード価格以下では絶対に売らないと通告すべきだし、メキシコ経済やコーヒー農家のことを考える人は,メキシコ人のコーヒー店でフェア・トレードコーヒーを飲むべきだ。そうすることでスターバックスのような巨大多国籍企業の懐を肥やすのではなく、コーヒーの収益がまともな安定収入が是非とも必要な小さな農家や事業者に直接わたるようにすることが出来る。」と話す。

 

 OCAのクリス・トレターは、「スターバックスは、ラテン・アメリカの貧しいコーヒー農家の犠牲の元に平均年商30%増を記録しただけでなく、今度は、世界中から仕入れた生産費を賄わないコーヒーで、生産国であるメキシコで店を持つ。 9月21−28日の地球規模の反スターバックス行動は、意識ある世界中の市民の不公平購買に対する抗議だ。」という。

 

 

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