2005年8月18日
ガーディアン
ポール・ブラウン(環境記者)
翻訳 房谷まひる
科学者達は遺伝子組換えのスーパー雑草の危険性について警告する
http://www.organicconsumers.org/ge/superweed081905.cfm
科学者達は、遺伝子組換え(以下GM)作物に非常に良く使われる除草剤に対して、耐性を持つ15種類の雑草を確認し、それらに対処する戦法を開発しない限り、スーパー雑草が深刻な問題になるかもしれないと農業関係者に忠告している。
ドクムギ属、サンシキヒルガオ属、ヤエムグラ属の種類を含む、最も一般的な雑草のいくつかは、GM植物に対し
広く使われるグリフォサ―ト除草剤に対して、天然の耐性を備える株を持っているか、あるいは耐性を持った新たな株を作り出した。
雑誌Outlooks on Pest Management(有害生物対策展望)における記述で、これらのスーパー雑草が引き起こす脅威を無視する事によって、農家の人々はグリフォサート剤によって枯れる他の植物よりも有利な立場にあるスーパー雑草に非常に大きな利益を与えているかもしれないという危険がある、と4人の科学者は主張している。
たとえ、スーパー雑草が農地で以前には生育しておらず、雑草の少数派であったとしても、除草剤を撒く事によって、農家の人々は耕作作物の間にそれらスーパー雑草に適する、新しい生息場所を作り出しており、その結果、それらが急速に繁殖するかもしれないのだ。
英国で、GMのナタネ、テンサイ、トウモロコシの3年にわたる農場規模の試験の評価に平行して、論文が発表された。もし、アメリカの科学者達が正しければ、3種類の作物全てがグリフォサ―ト耐性であり、もしイギリス国内で商業的に栽培すれば、グリフォサート耐性に悩まされるであろう。
グリフォサート剤は、30年前から農家の人々によって雑草を枯らすために使われ続けてきたが、1990年代にGM作物がグリフォサート耐性に変えられて以来、グリフォサート剤の使用量が急速に増えている。
論文は世界中でのグリフォサート剤の使用量が1995年の年間5千dから、2002年は3万d以上に増えており、それ以来増え続けていると述べている。
しかしながら、非輪作型のグリフォサート耐性GM作物に伴う除草剤の大量使用は、問題を増大させるであろう。そしてその問題は、地球規模に発展するであろう、と論文は述べている。
ミシシッピ州立大学及びミシシッピ州南部雑草研究所(the Southern Weed Research Unit)に拠点を置く研究者達は、もし農家の人々が予防措置を取らなければ、非常に有効な除草剤の広範囲に及ぶ有用性が失われるだろうと気をもんでいる。
グリフォサート耐性雑草の問題は現実であり、農家の人々は代替策なしにグリフォサート剤を絶え間なく使用すると、結局はもっと多くののグリフォサート耐性を持つ雑草が増える事になるという事を理解しなければならない。
たとえ、短期間のうちに雑草の種が変化し、グリフォサート耐性が発生する事によって、グリフォサート剤の効果が将来的に失われると誰も予測できないとしても。Vijay Nandulaは論文の結論で述べた。
彼は農家の人々にスーパー雑草が問題を引き起こすのに十分な程、繁殖する前に雑草を枯らす、別の除草剤を使いなさいとアドヴァイスする。