スーパーウィルスIIの生成
The Institute of Science in Society
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http://www.i-sis.org/
メイ・ワン・ホー
訳 山田勝己
ユーゴスラビアのウィルス学者がエイズワクチンに警告を発している。 エイズウィルス遺伝子の組み換えホットスポット(頻繁に突然変異を起こす部分)が原因で新たなウィルスや病原バクテリアを生み出しガンを誘発するという。彼は同じ理由でCaV35S(カリフラワー・モザイク・ウイルス)プロモーターを使ったGM作物反対のキャンペーンを張るつもりでいる。 メイ・ワン・ホー博士の報告。
エイズワクチンで新たなウィルスやバクテリアが発生
世界的にエイズが猛威を振るっている中で、エイズワクチンを開発するために多大な努力が払われている。しかし、これまでに成功例はない。逆に、ユーゴスラビア、ベルグラード核化学研究所の学際研究所のウィルス学者、ベリコ・ベルジコビッチ博士は、同僚の研究者に対し1990年以来何種類ものエイズワクチンを使わないよう警告していた。
彼のワクチンのリストには、完全に死んだか、あるいは弱体化されたエイズウィルス、HIV−1,SIV(猿が感染する類縁ウィルス)、組み換えHIV蛋白とペプチド、HIV蛋白質を発現している組み換えウィルスとバクテリアベクター、そしてHIV被覆糖蛋白質遺伝子を操作したプラスミドが含まれている。
HIV-1の被覆糖蛋白質gp120は、免疫反応の重要なステップである抗体の結合に関係する人の免疫グロブリン部と似ていることが分かった。それで、糖蛋白質またはその遺伝子を持つエイズワクチンは、免疫システム機能を強く阻害し、ウィルスに対してより脆弱になってしまう。 長い間には現在発症してないHIV患者の病状の進行を早める事にもなる。 更に、組み換えウィルスでgp120を発現しているものは新たな病原ウィルスにもなりうる。
gp120遺伝子には組み換えを刺激するDNA配列や、組み換えホットスポットの配列を持っている。 これらの配列は、ヘモフィルス・インフルエンザ、マイコバクテリウム結核菌、B型肝炎ウィルス、HIVとしばしば共感染する単純ヘルペスウィルスのようなウィルスやバクテリアに見られる特定のChi配列に似ていて、人の免疫遺伝子の組み換え配列にも似ている。 Chi配列を介してバクテリアやウィルスと組み換えが起こるHIVは、新たな病原菌を作り出すだろう。 人に感染すると人の遺伝子との組み換えで、染色体の再配列や異常な免疫グロブリンの形成が促進され免疫反応が低下するかもしれない。その上HIV-1配列がゲノムに組み込まれると、レトロトランスポゾンとして働くようになり、全てのモバイル遺伝子同様、様々な遺伝的影響を起こすようになる。 特にランダムな遺伝子の挿入によって突然変異が起こり、中にはガンを引き起こすものもあるかもしれない。
逆転写酵素のあとポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR法)、そしてDNAの配列を読んで、ベルジコビッチ博士のグループはイギリス、イタリア、アメリカのグループと共同して、完全なChi組み換えホットスポット(GCTGGTGG)を持つHIV-1ウィルスの配列をエイズ患者11人中3人から分離した。 その中で一人の患者のものは、この時点でヘモフィルス・インフルエンザ菌の遺伝子と組み換えを起こしていることが分かった。
エイズウィルスが関与した組み換えが確認されたのはこれが初めてではない。 筆者達は、このような組み換えは、文献で報告されている他のいくつかのケースでも起こっていたのではないかと示唆している。 例えば、異常な形のマイコプラズマ・ファーメンタン菌は、HIV-1遺伝子の一部を持っていることが分かり、湾岸戦争シンドロームとの関連が言われている。 新しいHIV-1サブタイプは、異なるHIV-1サブタイプどうしの組み換えで発生している。 HIV-1のサブタイプNは他のサブタイプとは全く異なっており、チンパンジーの免疫不全ウィルスに非常に近いのだが、これはHIV-1とSIV間で起こった組み換えの結果である可能性がある。 HIVー1の被覆遺伝子はChi配列を持つ人のガン遺伝子と相互に作用し合うのではないかと示唆している。
彼らの導いた結論は:
「これらの結果はこれまで我々が主張し、非常に心配してきた事を裏付けるもので、エイズワクチン候補でウィルスやバクテリアのベクターにHIV-1の被覆遺伝子を持つものは、新たな病原菌を生成し、免疫系への計り知れない影響を与える可能性がある。」
「…エイズ予防ワクチンが緊急に求められるのだが、現在の開発コンセプトがまともに再審査されるまで臨床実験は中止するのが良いだろう。」(1466ページ)
ISISがCaMV35Sプロモーターを使ったGM作物を環境へ放すのを止めようという活動をしていることを知っている人もいるだろう。 このプロモーターには、組み換えホットスポットがあり、ベルジコビッチグループの記述した危険性を全て持っているからである。
私は、ベルジコビッチ博士から3月11日にCaMV35Sプロモーターについてメールを受け取った。 「先の戦争の結果、我が国は毒性有機物から減損ウランに至る、様々な汚染物質でひどく汚染されてしまいました。その結果、汚染によって遺伝子のゲノムが不安定になり、様々な慢性病の発生率が増えると予測しています。 組み換え発生要因を内包するGM大豆を大量に持ち込むことは、このような影響を受けやすい人々にとっての危険性は更に大きくなります。 CaMVプロモーターが問題となる他の点は、Chi組み換えホットスポットがHIVと性H.インフルエンザ菌の間の体内組み換えによるものだと証明しましたが、その一方でプリオン遺伝子にはこの問題の組み換えプロモーターの配列があるのです。 牛に与えていた骨粉を大量のGM飼料に変更した場合、起こりうるChiとCaMVの相互作用は興味深いものです」。
また3月15日には「系統発生的に関係のない宿主で遺伝子の水平伝達が起こるのは、遺伝的に関係のあるレトロトランスポゾンによって起こることを示す結果がある。 レトロウィルスの被覆蛋白質に似た配列を持つ大豆のTy−1様のレトロエレメント(SIREー1)は、そのようなエレメントである。 この事実とCaMVプロモーターという組み換えホットスポットの存在があれば、来月ここに輸入されることになっているGM大豆は問題を起こすと考えるのが妥当です」。というメールをもらった。
ベルジコビッチ博士はGM大豆の輸入反対運動を始めるといっている。私は、彼の重要な研究に関心を持たせていただいたことに大変感謝している。