スイス下院議会でバイテク作物禁止が通過
環境データサービス(ロンドン)
2003年5月9日
訳 山田勝巳
ベルン発
スイス国民議会は今週投票された農業基金法案に遺伝子組み換え作物の5年間の作付け禁止を盛り込むことを承認した。両議会とも昨年10月にはこの法案を拒否していた。そのため環境団体や環境NGO、小農民、緑の党の連合がこの案件に対して国民投票を求める運動を行なった。禁止期間を設ける諮問は政府の特別委員会から出ていた。国民議会の投票は、欧州委員会が在来農業と「GMフリーゾーン」の宣言をEU諸国には認めないという提案を含む遺伝子組み換え作物の栽培との「共生」を図ろうとする努力を開始した直後に行なわれた。
スイスはヨーロッパの中央に位置するが、EUには属しておらず、EUの法律に準拠せず、独自の政策が取れる。欧州委員会は、夏までに在来作物の中でどうGM作物を導入するのかを示す最初のガイドラインを出すと農業議長フランツ・フィッシュラーは4月24日に発表していた。
数ヶ国のヨーロッパ議員は「GMフリー農業」決議を提出している。これら議員を支持するスイス案は、GMフリーと全製品に印刷することによって商業的優位は決定的になると主張している。
この禁止法案は、6月に開かれる上院で否決される可能性もあるが、否決されたとしても反GMグループが国民投票を(3年以内に開かれる予定)要求している限り政治課題として残る。既に必要とされる10万署名に対し9万の署名が集まっている。