44人のアメリカ人がスターリンク・コーンで発病と訴え

 

11月28日(火)午後7:17

ワシントン発(ロイター)

Julie Vorman 記者(抄訳)

 

 44名のアメリカ人がスターリンク・コーンを含む食物を食べて病気になった、と訴えたが、連邦当局の専門家はそれが遺伝子組み換えコーンによると個別に確定するのは難しいだろう、と語った。

 

 疾病コントロール・センター(CDC)と 食品医薬品局 (FDA)の科学者は、アベンテイスの遺伝子組み換えコーン・スターリンクが発疹、下痢、嘔吐、かゆみ、そして生命の危険のあるアナフィラキシー・ショックなどを起こした、という訴えを調査中である、と語った。

「我々はこの訴えを申し出た人々をフォローし、出来うる限りの医学的情報を得るよう努力中である」とFDAの疫学者Karl Klontz 博士は語った。

EPAが、スターリンクの健康に対する安全性を検討するよう召集した科学者たち(15人)に対して、Klontz博士はこれらの患者の病気の要約を提出した。

 Klontz博士によれば、9月にスターリンクの混入が報道されて以来、44名の患者がFDAに報告されている。訴えの全ては本人からであった。

 

 スターリンクが病気の原因だと訴えた44名の中、13名が治療のために医師の診断をうけた。Klontz博士によればその中の一人の男性はコーン・チップを食べた後、アナフィラキシー・ショックで救命救急室に運び込まれた。この男性は後で、これまでアレルギーになった経験はなかった、と語った。

13才の少年も救命救急室で治療を受けたが、彼はトーチラス(メキシコのトウモロコシパイ)を食べた後で舌と顔が腫れ上がった。

 この事件はEPAがスターリンクのCry9C蛋白質に健康上のリスクが有るかどうかを判断するうえで重要なポイントになろう。アベンテイス社は平均的なアメリカ人が食べる量ではアレルギーにならない、というデータをEPAに提出した。

 Klontz博士によれば、FDAに訴えた人の59%の症状は食品アレルギーの症状である。 16%は遺伝子組み換えコーンとは多分無関係で、食べたタコス自体の問題(訳注:食中毒?)のようだ。残りは症状が矛盾したり情報が不足で「原因不明」と分類される。

 

 疾病コントロール・センターの専門家Carol RubinはEPAの科学者達に対して、現在よりもっと精度の高い分析方法が開発されないと、これらがスターリンクのせいだと決定するのは困難だと証言した。彼女によればCDCがFDAのデータをより厳密な定義に従って、詳細に検討した結果、11名はアレルギー症状と判断した。CDCの専門家は、患者がコーン製品を食べて一時間以内にアナフィラキシー・ショックを起こしたか、あるいは12時間以内にかゆみ、吐き気、下痢、膨張、など生じた場合にアレルギーと判断している。CDCは11名に更にインタビューし、詳しい情報を集める予定である。

 EPAの科学者らは12月1日までにスターリンクの安全性について勧告をだす予定である。

 

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