GM作物の試験栽培、花粉を撒き散らす
ガーディアン
2002年8月19日
ジョン・ロケット
訳 中田みち
政府が行っている4つのGM作物の試験栽培が失敗し、遺伝子組み換えされた花粉が地域に撒き散らされたことが発表されると、環境活動家達は激しく批判した。その試験についての公式の報告書によると、昨年の秋、収穫が終了した後の菜種の刈り株から芽が出て、11月に再び花が咲いたという。この問題は政府の調査官と、試験を行ったアヴェンティス側双方によって見過ごされた。「地球の友」のスポークスマンは言う。「もしもGM会社と行政当局が試験圃場すらきちんと管理できないのならば、イギリスで商業栽培が適切に確実に行われるなんていうことをどうやって信じろというのだ。」
昨日日曜日にインディペンデント紙で今回の件が発覚した1週間前には、おなじアヴェンティス社が問題になっている抗生物質耐性遺伝子を含む未承認の種子を、イングランドとスコットランドの23の圃場で使用していたことが明らかになったばかりだった。閣僚は試験栽培の最終段階の中止を命じ、同社は訴追されるかもしれない。
GM査察官のレポートによると、再開花した菜種はリンカーンシャー州のウイザム・オン・ザ・ヒル、 ノース・ヨークシャー州のブラインド、ノーフォーク州の
ウインファーシン、グロセスターシャー州のウオーミントンの試験圃場で見つかった。アヴェンティス社は菜種の再開花を防ぐよう厳しく義務づけられているが、この規定は収穫された種子から芽を出した新たな作物の場合にのみあてはまる。したがって検察官は、アヴェンティスは今回の件ではこの義務に違反したことにはならないと結論した。
以前政府の「持続可能開発パネル」の委員長であったサー・クリスピン・ティッケルは昨日、労働党の環境政策を批判した。「彼らはもっと市民に何が起こっているのかを知らせる努力をしなくてはいけない。」彼はBBCの「Breakfast with Frost」という番組でこう語った。