MMRワクチンの不備を発見した独立研究者がまた受難
2,001年12月12日
メイ・ワン・ホー
訳 山田勝巳
アンドリュウ・ウェィクフィールド博士は、3種混合(麻疹、オタフクカゼ,風疹)ワクチンと自閉症との関連を指摘する科学者の一人だが、最近辞職勧告を受けた。メイ・ワン・ホーが科学的発見を検討し、重大な疑問を投げかける。
8月、開業医ピーター・マンスフィールドは、医学総合会議(GMC)に呼び出された。 彼は、イギリスのいくつかの郡からの患者家族700人以上に単独の麻疹や風疹ワクチンを接種していた。 これらの家族は、混合MMRワクチンは自閉症や胃腸病を起こす危険性があると心配して単独接種を求めた。 しかし、政府や医療権威は、この可能性はあり得ないと断言しており、 開業医や医師向けの新聞でMMRワクチンへの攻撃は、信用できないと記述されている。 政府は、MMRは安全であると譲らず、個々のワクチン接種で免疫獲得が遅れた場合、社会を危険に曝すものだと、国立衛生サービスでは単独接種を許可していない。
混合MMRワクチンの安全問題は、英国で1988年の導入以来何度となく表面化しており、アメリカではその10年前から取りざたされている。 インディペンダント紙は、体制側の代弁をしない唯一の大判新聞だが、 それによると、マンスフィールド医師の件は、「自分の子供にどうワクチンをうたせるか家族の自由を問う初めてのケースだ」という。 また、医師にとっては、自分が最も効果的だと思う治療を行う開業医の臨床的自由が問われているという。 最近の調査では、4人に1人の医師が、単独ワクチンを許可すべきだとしている。 MMRワクチンについては専門家の間で意見が分かれているだけでなく、全般的にワクチンそのものが有効なのか、また世界各国それぞれ対応が違うこと(2)、大量の矛盾する発見があるなどのため様々な意見がある。
マンスフィールド医師は、最終的にはGMCに喚ばれた3ヶ月後に、個別のワクチンを使い続けることが許可されている。 しかし、この論争の渦中にあった研究者は、12月に織を奪われた(3)。 王立自由病院医学校のアンドリュー・ウエィクフィールド博士は「私の研究結果が不評だったので、辞めるよう言われた。」 といい「調査を辞めるつもりは全くない。」と付け加えた。
ウエィクフィールドの苦難は1998年の慢性胃腸症を伴う退行性自閉症とワクチンの関連を示した12名の子供の症例の発表と共に始まった。