ラウンドアップとガン 新たに浮上した危険な関係

ACRES USA

2003年1月号

訳 山田勝巳

 

 モンサントのラウンドアップは最も人気のある除草剤で、その主な理由はこれまでの研究では人体に有害な影響がないということだった。しかし、ラウンドアップがどのように作用するのかを知っている人は少ない。ラウンドアップは無差別除草剤でどんな雑草でも枯らしてしまう。植物の成長に欠かせない生化学反応を阻害する。除草剤の有効成分グリフォサートは葉で吸収され植物の成長組織に移行する。そして、植物、カビ、微生物が利用するアミノ酸を含む必須の芳香族化合物の合成を担うシキミ酸経路を妨害する。

 

 化学的説明なしでは理解が困難な複雑な工程を経て、除草剤が作物に散布された時、偶然になるように、グリフォサートが硬質冬小麦に散布されると通常とは違う事が起きる。ノース・ダコタの研究者達が行った「胚乳から硬化段階の種子形成においてグリフォサートを与えた時の小麦中のシキミ酸分布を測定する」実験で「小麦全体にシキミ酸レベルが高くなる」ことを発見した。更に、シキミ酸は製粉と製パン工程を乗り越える事が分かった。シキミ酸の含有量は、グリフォサートを使わなかったものよりも小麦粉で3倍、パンで2倍多かった。

 

 ガンとの関係は何処にあるのか。硬質春小麦の予備的研究では、これら全てがグルテンとパン生地の性質に影響があり特にパン生地が弱くなる。一部酸化促進物もあるフェノール酸がパン生地を弱める事と関係している。酸化促進物は抗酸化物と逆のものでガンと関係のあるフリーラジカルの拡散を促進する。

 

 シキミ酸の蓄積とガンの関係は動物で疑われているが未だ決定的ではない。しかし、この関係が近いうちに確定される根拠があり、そうなればラウンドアップの製造者と販売者は大きな問題を抱える事になる。

 ノース・ダコタの研究者は、ゲイル・A・バーナハン、フランク・A・マンセイ、カーク・ホワット、モニハ・チャクラボーティ。 彼らの報告書「収穫前に散布されるグリフォサートによって硬質春小麦に蓄積するシキミ酸」は、農業と食品の化学物質(Journal of Agricultural & Food Chemicals)誌に発表された。

 

 

 

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