モンサントの除草剤ラウンドアップの過剰な散布が多くの超雑草問題を作っている

http://www.organicconsumers.org/monsanto/excessive101105.cfm

2005年10月10日
GM WATCH daily  http://www.gmwatch.org
訳 河田昌東

この記事――モンサントのホームタウン向けの戯言――は企業の業績悪化に大きな影響を与えるが、モンサントが置かれている、困った立場を指摘している。同社のGM種子と関連除草剤の販売の根幹が脅威にさらされているのだ。

ラウンドアップ耐性作物はモンサントが(この5月31日までの9ヶ月間に)販売した種子と苗の10億ドルのほとんどを占める。グリフォサート耐性雑草が増えつづければこの販売は脅威にさらされる。雑草科学者協会によれば、世界中で8種類、合衆国内で5種類の耐性雑草が1996年以来登録されている。

しかし、科学者らがラウンドアップの有効成分であるグリフォサートの耐性雑草の問題が急速にエスカレートし、同社にとっては潜在的にひどい結果になる、と認めている一方で、同社は農家に対する対応の問題への非難にじっと耐えている。農家はモンサントの作物をののしっているようだ。 農家は無意識にラウンドアップ耐性作物を同じ畑に毎年毎年植えて、最も効果的かつ比較的安全で良く利用されている除草剤の有効性を台無しにしている、としてモンサントから告訴されている。

まさにこの類の心無いでたらめ農業が、技術主義のモンサント社が推進してきた農業によって助長されてきたという事実は言うまでもない。また、どうしてモンサントがこのような技術の悪用に反対する農民に警告し危険性を知らせる警告のラベルを積極的に印刷しなかったのか、という説明をしてくれる論文も一つもない。

しかし、耐性雑草の広がりについて今専門家はそれを農民の態度のせいにしている。「しばしばそれが彼らの態度だ。―――私にとって問題になるまではそれは問題じゃない。生えてくれば何とかするさ―――といった類の態度だ。まさに今そうした事態が起こっているではないか」といった批判である。 農民たちは自分の直接的な損得勘定で短期的なものの見方をする。それは困った無責任な態度に聞こえる。また、それはまさに「価値ある限り誇大広告しようじゃないか、なるようになるさ」というモンサントの企業体質を特徴付ける態度でもある。

 

遺伝子組換え作物の誤用が問題を起こす

レイチェル・メルシャー記者(セントルイス・デスパッチ紙)

 ミズーリ州の二人の農民がモンサント社とミズーリ州立大学の科学者に注目すべき話をした。それはこうだ。モンサントのラウンドアップ・レディ除草システムの誤用がより強力な雑草を生み出すことになる、というのだ。同州北西部の二つの別個の大豆畑で科学者らはpigweed(アカザの仲間)としても知られるwaterhemp が除草剤グリフォサート耐性であることを発見した。クレヴ・クールに本拠のあるモンサント社がラウンドアップと言う名前でグリフォサートを販売している。それは比較的安全で、農業では除草に最も良く使われている効果的な除草剤である。それは又、モンサント社の大ヒット作、ラウンドアップ耐性作物テクノロジーの土台をなす商品でもある。同社は大豆、トウモロコシ、綿、ナタネなどをグリフォサート耐性に遺伝子組換えしている。その結果、生産者は作物を傷つけることなく雑草を殺すために畑の上からラウンドアップを散布できるのだ。しかし、この同じ作物と除草剤がもし毎年毎年農場で使われると、グリフォサートに耐性の遺伝的変化を起こした雑草が生き残り、繁茂することになる。そして、ついには作物の成長を遅らせ、収量を減らす。

これが、北西ミズーリの農場で実際に起きていることだ、とコロンビアのミズーリ州立大学の雑草科学者で助教授のケルビン・ブラッドレーは言った。彼は具体的な農場と農民を特定はしなかったが、農民らはラウンドアップ耐性大豆が利用できるようになった1996年以来、毎年植えたが彼らに責任はない、と言った。昨年農場で採取したWaterhempは規程量の8倍のラウンドアップにも抵抗力があった。もし、来年夏に調査が行われれば、その耐性能力は次の世代のwaterhempにも伝えられることが示されるだろう。ブラッドレーが考えているように、それは極めてあり得ることで、ラウンドアップ耐性と分類されるはずだ。

大学と農業企業は生産者に対して毎年作物と除草剤を変えるように指導しようとしている、とブラッドレーは言う。「しかし、それは彼らの利益に関わることだ。我々が出来ることは彼らに除草剤を変えるように、と言うことだが、それには1エーカー当たり2〜3ドルのコストがかかる。だから、彼らには財政的な問題が残る。ラウンドアップ・システムとは勝負にならないからね」「しばしばそれが彼らの態度だ。―――私にとって問題になるまではそれは問題じゃない。生えてくれば何とかするさ―――といった類の態度だ。まさに今そうした事態が起こっているではないか」と彼は言った。

モンサント社はラウンドアップ耐性作物が今年だけで合衆国で1.015億エーカー作付けされた、と言っている。この企業は世界中に約16億ドルのラウンドアップその他グリフォサート製品を、今年5月31日までの9ヶ月間に販売している。そして、ラウンドアップ耐性作物と種子は同じ期間に27億ドルの販売を数える。このセールスは、もしグリフォサート耐性雑草が増えつづければ脅威にさらされることになる。雑草科学者協会によれば、世界的には8種類、アメリカだけで5種類の耐性雑草が1996年以来見つかっている。

 

 

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