ラウンドアップが穂枯れ病の原因?カナダで大被害

GM WATCH daily: http://www.GMwatch.org/archive.asp

 

除草剤が細菌を培養

アンディ・コグラン

ニュー・サイエンティスト

2003年8月16日

http://www.newscientist.com

訳 山田勝巳

 

広く使われている除草剤が小麦を壊滅させる有毒カビの繁殖を促しているとカナダ政府の研究者が実験室の研究で示唆。

 

今大問題になっているカビ被害が除草剤のグリフォサートによって拡大している事が圃場試験で確かめられれば、農民は使用量を減らすよう助言を受ける事になる。 そうなれば、カナダで申請されている最初のGM小麦は除草剤グリフォサート耐性のものである為、カナダで遺伝子組み換え小麦を支持している者にとって大きな痛手となる。もし承認されればグリフォサート総使用量は増える可能性が高い。

 

この問題は、サスカッチェワンのスゥリフト・カレントにある農業と農作物カナダが運営する半乾燥平原農業研究センターのミリアム・フェルナンデスによって数年前に発見された。彼女は、前年グリフォサートを使った畑では小麦のフザリウム菌穂枯れ病−壊滅的細菌病で穀物をダメにしてピンク色に変える−の被害が他よりも酷いことに気付いた。ヨーロッパだけでもフザリウム穂枯れ病によって小麦の1/5がダメになっている。この病気を起こす細菌は人や動物を死に至らせる毒も産生する。 

 

確認試験の中でフェルナンデスは小麦畑の穂枯れの程度を調べた。「前年にグリフォサートが使われた圃場では穂枯れの程度が酷かった」と同僚のキース・ハンソンは話す。実験室試験では穂枯れを起こすフザリウム・グラミネアラムとフザリウム・アベナシウムは、培地にグリフォサートベースの除草剤を添加すると成長が早まっている。しかし、この結果に飛びついてはいけないと研究者はいう。「全てのデータが揃うまで結論は出せない。」とハンソンはいう。現在圃場とハウス内試験を計画している。

 

重要な事はこのカビ菌が土壌に胞子を残すかどうかだハンセンはという。グリフォサートが直接ではなく、除草剤が土中に植物残渣を余計に残してカビが繁殖し易くなっているだけなのかもしれない。圃場試験による結果は来春になるという。ラウンドアップとしてグリフォサートやそれに抵抗性のあるラウンドアップレディ作物を販売しているモンサントは、グリフォサートは既にカビの問題もなく広く使われている。モンサントはカナダ政府にランドアップ・レディ小麦栽培の申請を昨年12月に出している。ハンソンの研究をしっかり見守ると話す。

このチームの発見はハンGM活動家によって取り上げられる可能性が高い。だが別の除草剤に変えることは環境に良くない、というのは、グリフォサートは短時間に土中で分解する為最も害の内除草剤だからだ。皮肉にも別のバイテク大企業スイス・バゼルに本拠を置くシンジェンタは、フザリウム穂枯れ病に耐性のあるGM種と在来種の小麦を開発試験していて「結果は上々だ」と言っている。

 

ラウンドアップの有効成分がカナダ穀倉地帯で数千万ドルの被害を出した葉枯れ細菌の原因ではないかという証拠が出て来ている。

グリフォサートとフザリウム菌コネクション、研究者が注目も参

http://www.producer.com/articles/20030703/production/20030703prod02.html

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2003-08/ns-wme081303.php

 

 

 

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