ラウンドアップ耐性の雑草が州内にはびこる
クロニクル−トリビューン
04年5月26日
ジョン・ウッドマンシー
訳 河田昌東
http://www.chronicle-tribune.com/news/stories/20040526/localnews/503241.html
2年前にインデイアナ州にやってきた除草剤耐性雑草はまだ広がっている。グリフォサート耐性のマーズテール(トクサ科の雑草)が2002年に初めて見つかったのはインデイアナ州南東部のジャクソン、バーソロミュー、クラーク、ジェファーソン、ジェニングスの各郡であった。パジュー大学の研究者らによる最近の野外調査では、他の北部と西部の15の郡でも見つかった、と雑草専門家のビル・ジョンソンは言っている。
グリフォサートはラウンドアップはじめ多くの除草剤の有効成分である。インデイアナ州の農家は毎年数百万エーカーのラウンドアップ耐性の遺伝子組換え作物を作付けしている。今年だけでも州の大豆作付け面積545万エーカーの88%はランドアップ耐性種になると予想されている。
「2001年から2002年にかけてはグリフォサートの効かないマーズテールが生えている畑はほとんど見かけなかった。しかし、2002年後半に4つの郡でグリフォサート耐性雑草を確認し、さらに6つの郡でも発生するのではないかと強く危惧した。2003年の秋に我々は広範な野外調査を行い、今では19の郡にグリフォサート耐性のマーズテールが見つかっている。北部はウェルズ郡まで、西部ではモントゴメリー郡、南部ではペリー郡にまで広がっている」とジョンソンは言った。
マーズテールはホースウイ−ド(トクサ)という名前でも知られているが細い葉っぱの多年草で、そのままにしておくと6フィート(注:約2メートル)の高さにまで育つ。この雑草は7月から8月にかけて種をつくり、年中いつでも発芽できる。「この雑草はいろんな理由で問題だ。まず何よりも、この雑草の生物学的性質上、夏ばかりか冬までも同じように育つことだ。この雑草がいったん発芽したら、土壌が凍りつくまで何時でも成長できるんだ」とジョンソンは言う。彼はマーズテールの困った問題の第2点はこれらがすでにALS阻害剤(除草剤)とトリアジンに対して抵抗性をもってしまっていることだ。だから(もしラウンドアップにも耐性をもつと)雑草を駆除する有効な手段を失ってしまうことになる」とジョンソンは言った。ALS(アセト・ラクテート・シンターゼ)阻害剤は成長に必要な必須アミノ酸の合成を妨害して雑草を殺す。トリアジン除草剤は雑草の光合成を阻害する。
マーズテールの繁殖力は第3の問題を起こす、とジョンソンは言う。「この雑草の種子は急速に拡散する。とても適応力が強いので、農場の雑草の優先種に簡単になってしまう。大ブタクサ(giant ragweed)や大エノコログサ(giant foxtail)、ベルベット・リーフがそうだったように。」と彼は言った。
ジョンソンによれば農家はグリフォサート除草剤に多大な信頼を寄せており、もしグリフォサート耐性のマーズテールが自分の畑に生え始めたことを知れば、次の年には雑草を全滅させるために2、4−Dを使わざるを得なくなる。「2、4−Dはこれらの雑草に非常に効果があることを我々は知っているし、農家ももし自分の畑にマーズテールが生えてくればそれがグリフォサート耐性だろうとなかろうと2、4−Dを使う必要が出てくる。」とジョンソンは言う。
ジョンソン・ウッドマンシーはグラント郡のパヂュ−大学地域共同事務所の農業と自然の教育者でデイレクターである。