シュマイザーの畑にラウンドアップが戻ってきた
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シーン・プラット
ウエスタン・プロデウサー誌より
2005年10月28日
訳 河田昌東
彼は自分の畑に生えつづけているラウンドアップ耐性キャノーラのように粘り強い。パーシー・シュマイザーは再度ニュースに戻ってきた。彼は仇敵のカナダ・モンサント社を相手に裁判を起こしたのだ。
サスカチュワン州の農民、ブルーノ・シュマイザーはカナダ最高裁においてバイテク企業に対する法廷闘争で負けたが、自分の畑のラウンドアップ耐性植物で再びモンサント社と戦っている。裁判でモンサ ント社の遺伝子組換えキャノーラの栽培を禁じられたシュマイザーは、この9月に自分の50エーカーの無農薬の畑に侵入し、自生している雑草(ラウンドアップ耐性キャノーラ)についてモンサント社と接触した。 「私の畑は1998年に汚染した時とほとんど同じだ」とモンサント社との戦いについて世界中で講演しているこの農民は言った。
2004年の最高裁判決によれば、1998年には1000エーカーのうち95から98%の畑でシュマイザーはラウンドアップ耐性と知りながらキャノーラを栽培していた。 シュマイザーはモンサント社の特許を侵害したとして3つの裁判所で有罪と認められたが、彼はその茶色の袋に入ったキャノーラの種子を植えたとは認めておらず、今度の裁判も7年前に起こったことと似ている。「もし私がキャノーラの種子を採取していたら、別の裁判を起こせたはずだ」と彼は言う。
9月21日に彼はモンサントを呼び、同社に自分の畑に自生している耐性キャノーラを除去するように要求した。モンサントはシュマイザーの要求に応え、彼の農場に調査チームを派遣した。そこで彼らはラウンドアップ耐性キャノーラが生えているのを確認した。
クレームに関する事前の約束にも関わらず、モンサント社は、もしシュマイザーが意図せずに耐性キャノーラが自生してしまった全ての農家に訴訟の権利を放棄するよう求める文書にサインすれば、問題の畑の植物を手で摘み取る、という提案をした。この書類は、モンサント社が彼らの製品に関わるいかなる訴訟からも永遠に免れることが出来、生産者に対し自生問題を公にするのを禁ずる、というものだ。
シュマイザーにとって、これはあまりにも酷すぎる内容だった。 「私は自分のスピーチの自由やその他の権利を奪ういかなるものにもサインすることを即座に拒否した」と彼は言った。 彼は6年間続いた法廷闘争に彼を引きずり込んだこのバイテク企業を信頼していない。「彼らは、私が自分の権利を失うようないかなるサインも絶対にしない、という私の信念を知らなければならない」と彼は言った。
そして10月21日にシュマイザーは自分で耐性キャノーラの除去を開始し、引きちぎったり、種をばら撒いたりした。 彼はこの最初の清掃作業で半トントラックを一杯にした。 モンサント社への手紙で、彼は今年度の彼の畑の損害額を伝え、来年は5万ドルを越えるだろうと訴えた。彼はモンサント社に清掃に伴うコストの請求書を送る、と言った。モンサント社のスポークスマン、トリシュ・ジョルダンはあの申し出で同社がなすべきことは全て行ったし、第一に自分たちには法的な義務は一切ない、と言った。「この状況では、シュマイザー氏は我々の助力に全く関心がなさそうだ。彼は自分のメディア・キャンペーンを続けることに関心があるんです」とジョルダンは言う。 彼女は、シュマイザーが意図しないラウンドアップ耐性キャノーラの自生の除去を要求するどの生産者よりも特別に(好条件で)扱われたのだ、にもかかわらずこうした事態になったのは“理解に苦しむ”と言った。
モンサント社の調査員は50エーカーのシュマイザーの畑に生えていた耐性植物の量も均一性も、花粉が飛来したと考えるには無理があり、9月下旬にキャノーラが花を咲かせているのは極めて異常だ、と言った。9月30日付けの同社への手紙の中で、シュマイザーは耐性植物は不均一に生えており、畑の道路側沿いに沢山生えていて、このことはGM種子がトラックからこぼれ落ちたか、他の生産者の畑から飛んできたことを示している、と反論していた。そして彼は土壌と気候さえ良ければ、自生キャノーラは年中生えてくる、と言った。