オレゴンの遺伝子組換え食品表示法案は敗退
2002年11月6日
オレゴン州ポルトランド発(ロイター)
訳 河田昌東
オレゴンの有権者は遺伝子組換え食品に表示を求める投票の提案を大差で退け、大手食品産業とバイテク研究者らに勝利をもたらした。
開票速報では有権者の73%が法案27を退け、賛成したのは27%に過ぎなかった。その結果合衆国最初の表示法案となったかもしれない提案が通らなかったと地元マスメデイアが報じた。 キャンペーンの会計報告では食品企業その他の法案反対者は同法案反対のために500万ドル(訳注:約6億円)以上を使った。資金の多くは、同法案が通ればレストランや食料品店、学校の食堂などで値上がりが起こるという警告の宣伝に使われた。
「オレゴンの人々は彼らが食べている食品について人々を怖がらせる法案27の提案者達の努力をはっきりと排除した。私はこの国における食品のFDAによる規制を彼らが信頼したのだと思う」と語るのは高くつく表示法案反対同盟のスポークスマン、パット・マコーミックである。
ある生物から別の生物にDNAを移転する遺伝子組換えは、作物の収量を上げ、病虫害から守るなど利益がある。アメリカの加工食品の約70%と家畜飼料ではそうしたものが使われている。推進派はGM食品が農薬や化学肥料を減らすと主張しているが、反対派は「フランケン・フッド」と呼んであざけり安全性に疑問を表明している。
提案の支持者達は敗北にも関わらず、表示問題を今後も働きかける、と約束した。「これが無駄だったとは思わない。私達は今回の投票では負けるかもしれないが、これはオレゴンと合衆国における運動のまさに始まりです」と今回の法案の請願代表者ドナ・ハリスはロイターに語った。