アメリカのGMコーン汚染は周辺農地に脅威を与えている

USDA報告によると農民はバイオテクノロジー規則を不履行

 

2003 年9月9日

ワシントン発AP

エミリー・ゲルセマ

訳 大森智穂子

 

農務省は害虫抵抗性遺伝子組換え種を育てている中西部の農地のほぼ20%が連邦の栽培規則に従うことを怠っていることを発見した。マーク・ハリス収穫統計部長によると、「多分、規則を理解していない個人や、契約に正確に従っていない個人がいるのだろう。」

 

この調査は、中西部の10州(イリノイ、インディアナ、アイオワ、カンサス、ミシガン、ミネソタ、ネブラスカ、オハイオ、サウスダコタ、ウィスコンシン)、289,640農地におよび、遺伝子組換え種のBtコーンの作付けを調べた。93,530農地(32%)で、420万エーカーでBtコーンが栽培されていた。そのうち、たったの約4/5しか、Btコーンを在来種で囲まれたエリアで栽培するというEPAの規定を、守っていなかった。

 

この囲いは、害虫がBt種への耐性を得ることを妨げるための避難場所である。EPAのスポークスマン Dave Deegan 氏によると、EPAはこの報告の再調査中であり、「この点に関して何の結論を得ていない。」という。農務省は、今年、全国で1700万エーカーのBtコーンが栽培されたと見積もっている。

 

BTコーンは、一般的な害虫であるとうもろこしを食い荒らす虫を殺すバクテリアの遺伝子(thuringiensis 菌)を導入されている。この遺伝子は、殺虫剤のように振舞うことから、EPAはこの栽培に規制を課している。しかしながら、EPAはBt作物のチェックに訪れたり、農民が従っているか調べていない。その代わり、EPAは種子会社に、農民が囲いを植えなければいけないことを確実に知らしめることを任せている。

 

公益科学センターは、確実に農民を規則に従わせるようなインセンティブを種子会社に与えるシステムがEPAに必要であるといった。「種子会社は、従わない農民に罰則や罰金を課すインセンティブを持っていない。なぜなら、それらの農民は彼らのお得意様だからだ。」と、バイオテクノロジーのセンター長である Gregory Jaffe氏はいう。 彼は、多くの農民が栽培規則に従うことを怠っている州で、EPAが種子会社のBtコーン種子の販売を禁止することを提案した。Jaffe氏はさらに、農民はBtコーンの周りに在来種を植えるためのインセンティブが必要と、付け加えた。

 

いまや、従わない農民は、バイテク種子会社から手紙を受け取ることになっている。もし、彼らが従うことを怠るならば、種子会社は種子の販売を停止することができる。Sharon Troughton氏(モンサント社のスポークスマン)はいう、会社は農民にBtコーンの栽培方法を教育する努力を強めている。BTコーンを売る会社ーMonsanto,Dow AgroSciences,Pioneer Hi-Bred International,Syngentaーもまた、農民をチェックする年毎の調査を行っている。 Troughton氏いわく、農民の大多数は政府の規則に気が付いているといういい知らせだという。しかし、「明らかに我々は100%の追従を求めており、それに向かって働きかけ続けている。」

 

 

 

戻るTOPへ