人間の唾液中で口内細菌が形質転換

 

Fate of Free DNA and Transformation of the Oral Bacterium Streptcoccus gordornii DL1 by Plasmid DNA in Human Saliva

By Derry K. Mercer, Karen P. Scott, Wendy A. Bruce-Jonson, L.Ann Glover, and Harry J. Flint Applied and Environmental Microbiology vol.65, No.1, p6-10 (1999)

 

ヒト唾液中における裸のDNAの行方とプラスミドDNAによる口内細菌

Streptcoccus gordornii DL1の形質転換

 

要旨訳 河田昌東

 

組み換えプラスミドpVACMC1由来の520塩基対のDNAの残存率を、新鮮なヒト唾液とプラスミドを混合後、競争PCR法でモニターした。(PCRで)増殖可能なターゲット分画(訳注:520塩基対のこと)の残存率は、唾液と混合後10分で4065%(サンプル数5個)で、60分後では625%であった。 新鮮な唾液による分解にさらされたpVACM1のプラスミドDNAは、なお口内細菌Streptcoccus gordornii DL1株(自然状態で受容能力がある:訳注 即ち被組み換え能力がある)に抗生物質エリスロマイシン耐性を与える形質転換能力を持っていた。もっとも、その形質転換能力は半減期50秒で急速に減少したが。 Streptcoccus gordornii DL1の形質転換体は、フィルター滅菌した唾液と最終濃度1μグラム/ml のpVACM1DNA存在下で行われた。滅菌した馬の血清の代わりにヒトの滅菌唾液を使った場合、馬の血清にくらべて若干頻度は落ちたが、Streptcoccus gordornii DL1は形質転換された(即ち、抗生物質耐性になった)。

これらの発見は、細菌や食物から放出されたDNAが口腔内で自然受容性の口内細菌を形質転換できることを示した。しかしながら、口内細菌が有意味な頻度で実際に口の中で形質転換を起こすかどうかは、さらに研究が必要である。

 

 

 

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