NGOがシュマイザー裁判に参加を申し出る

オタワ発

CNW

2003年9月30日

訳 山田勝巳

  

本日、カナダ国民評議会が中心となっているNGO連合がカナダ最高裁で審理されるサスカチェワンの農民パーシー・シュマイザーとバイテク大手モンサントの特許侵害裁判に参加を申し出た。

 

連邦控訴裁判所は、シュマイザーがモンサントの遺伝子組み換えキャノーラの特許権を侵害したと判断した。 最高裁はこの判決に対する上告を認めた。参加者の立場としてカナダ国民評議会とその連合は、モンサントの主張への反論を最高裁に提出する事が出来る。

 

「遺伝子組み換え生命体に対する特許侵害が何を意味するかを審理する世界でも初めての上級裁判所になるだろう」と連合を代表する弁護士スティーブン・シュライブマンはいう。「この裁判所の判断は国内及び国際的な生命特許議論に大きな影響があるだろう。」 この連合にはシエラ・クラブや全加農民組合などのカナダ組織が関わっている。

 

「この裁判は単にパーシー・シュマイザーだけの問題ではない。」と全加農民組合のテリ−・ベームはいう。 「モンサントのGEキャノーラが西部カナダを汚染した規模を考えると、全カナダ農民の負債はとんでもないものになる。我々はシュマイザーに対する判決を絶対認めるわけにはいかない。」

 

この初めての裁判への判断が、著名な国際団体も連合へ呼び寄せている。この中には、ワシントンにある国際テクノロジー評価センター、侵食、テクノロジー、集中に関する団体、国際環境活動家バンダナ・シバが主催する科学、技術、生態研究基金がある。「この裁判で連邦控訴裁判所の判断に他の国も従うような事になると、自家採種している農民何億人の生活を破壊する事になる。それに、自家採種は生物多様性を守り生産性を向上しているのでこの慣習を抑制する事はこれらも守れなくなる事になる。」とシバ博士はいう。「残念ながら、カナダでは事バイオテクノロジー、遺伝子組み換え食品に関しては政治的、行政的空白が続いている。今回の問題は、いかに政府が責任を回避しているかを示すもう一つの例だ。」とカナダ国民評議会のナデジ・アダムは話している。

 

この裁判は2004年1月20日に審理される事になっている。

 

 

 

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