モンサントが有害なトランス脂肪を照準に

 

エリザベス・ワイス、USA TODAY

2003年10月28日

訳 山田勝巳

 

モンサントは、全米ダイエット協会会議でトランス脂肪酸のない組み換え大豆製品の3段階の開発プロジェクトを発表すると見られている。消費者にとってはファーストフード店や食料品店でトランス脂肪酸のない心臓に良い脂肪を使ったチップス、クッキー、揚げ物を意味する。

 

基本計画

1段階:

除草剤耐性大豆を従来の育種法を用いてリノレン酸の少ない品種を作る。こうすると水素添加の無い棚持ちの良いものができる。水素添加をするとトランス脂肪酸ができ悪玉コレステロールが増えて糖尿病や心臓麻痺につながる。リノレン酸が少ない大豆油は水素化の必要が無くトランス脂肪酸を減らしたりなくしたり出来る。この種子は2年後にできる。

 

第二段階:

 この低リノレン酸大豆を従来の育種法でモノ飽和脂肪酸の多い大豆を作り大豆油をオリーブ油に近いものにする。この種子は4-5年でできる。

 

3段階:

 大豆をさらに育種して飽和脂肪を1%にまで落とす。これは水素化せずとも安定している。心臓に良いモノ飽和脂肪が多く飽和脂肪が少ない。これは、法的ハードルも含めて8年で栽培までこぎつけるという。

 

ダウ・アグロサイエンス社もキャノーラ油で同様の低飽和脂肪製品を作っている。

業界側はこれまで遺伝子組み換えに反発の強い消費者にも「ダイエット」のブームで受け入れられるのではないかと期待している。

 

2006年に施行される表示方でトランス脂肪酸の表示が義務付けられるので、これを減らす事が食品メーカーの最大の関心事になっている。しかし、これらの作物がどれ位トランス脂肪を減らせるのかは未知数。わずかに減らせるのでは意味が無く、大量に飽和脂肪を減らせるのであれば効果が期待できるかもしれないとタフト大学のアリス・リヒテンシュタインは話す。

 

ニューヨーク大学の栄養学教授マリオン・ネスルは、「トランス脂肪を気にする人は、遺伝子組み換えも気にしている。この動きは、遺伝子操作の使い道を何とか見出そうとするバイテク企業の悪あがきのように思える。」と話す。

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トランス脂肪とは;

植物油の部分的にでも水素添加されたものは、全てトランス脂肪でマ-がリン、クリスコその他数多の加工食品に使われている。

 

作り方は;

ニッケルやプラチナなどの金属を入れた植物油を熱して水素の泡を通して作る。この工程は数時間かかり水素化は250-410度で起こる。この化学結合は、より健康的なオリーブオイル、大豆、コーン、キャノーラ油などよりも安定しており酸敗しにくい。

 

トランス脂肪の問題点;

善玉コレステロールを排除し、悪玉コレステロールを増加させるため血管が詰まる。細胞組成に関わって糖尿病や心臓発作を起こすような障害を起こすという研究者もいる。

 

 

 

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