モンサントは重大な危機の渦中
ノーフォーク・ジェネティック情報ネットワーク (ngin),
http://www.ngin.org.uk
訳 山田勝巳
モンサントは、今年の収益は予想を下回る見込みと昨日発表し、株価が更に落ち込んだ。 モンサントによると大豆の大きな市場であるブラジルでは全く進展が望めないという。 記事によると「ブラジルは、アメリカのGM種子を受け入れるようにという強い圧力に抵抗してきている。」とある。
アルゼンチンでの売り上げが予想以上急激に落ち込み、モンサントは農民に対するクレジットの延長をしないで済ませている。 また、ラウンドアップの特許切れによる圧力もある。
その他の問題:
モンサントは、最初のGM小麦を2005年までに販売する計画を引っ込めた。 日本とヨーロッパの製粉会社がGM製品は要らないと伝えている。 また、米国内での販売にも問題があるようで、アイオワの農民への2003年コーン種子は激安価格にしているという。
http://members.tripod.com/~ngin/130802d.htm
更に、US医薬品メーカーファーマシアが買収してたった2年で分離したために更に弱った。 資金繰りが危機にあることは否定している。
モンサントは、組み換え病害虫制御(Btコーンと綿のような)は耐性種が出来、「実際の圃場条件では多くの問題が」あるので、「長期的に望ましくないかも知れない」ということで、独自の特許申請受諾が助けになっていない。
http://ngin.tripod.com/190802a.htm
モンサントのラウンドアップ除草剤への雑草の抵抗性が急速に拡がっていてこの企業の状態を更に悪くしている。
http://ngin.tripod.com/230802f.htm
http://www.guardian.co.uk/GMdebate/Story/0,2763,810426,00.html
乾燥でモンサントの利益が減少
ディビッド・ティーチャー、ニューヨーク
ガーディアン(UK)
2002年10月12日
遺伝子組み換え食品と同意語になっている農業化学会社モンサントは、今年の利益は予測よりも低くなる見込みだと昨日警告した。 この話題の多い企業は、主力商品であるラウンドアップ除草剤売り上げの米国内での落ち込みとアルゼンチンでの販売不振が原因だとしている。 US中西部の農業ベルト地帯での異常乾燥と平原での干魃状態が雑草の生育を抑え、除草剤の必要性が低いためだという。
ラウンドアップはモンサントの収益の45%を占め、特許が切れたのが既に重くのしかかっている。 今年の出荷量は最大600万ガロン減るものの、市場シェアは変わらないと言う。
昨日の警告は、ラテンアメリカでの混乱で2002−2003の見込みを6月に減少したのに続くものだ。 当時、モンサントはクレジットではなく現金のみの販売で乗り切ると発表していた。 この影響は、予測以上に大きいもので販売が急激に落ちた。 当初の株取引では、11%落ちたものの後半に若干持ち直し38セント安の$15.21で取引を終えた。
証券アナリスト ジョン・ロバーツは、警告は根本的問題というよりも一回限りの外部要因だと分かり投資家が安堵している。
モンサントは、8月に、今後3年はヨーロッパでの新たなGMの承認は見込めないことを認め、ブラジルでのGM大豆種子販売も進展しないとも言っていた。
世界最大の綿生産国であるインドに進出を果たし、今度はパキスタンへのGM種子販売を行おうとしている。 バイオ殺虫綿は、主食の米よりも水の要求量が少ないと売り込んでいる。