モンサントがオーストラリアでの菜種栽培断念
地球の友(FoE)
http://www.foe.co.uk/resource/press_releases/monsanto_quits_gm_wheat_11052004.html
緊急記者発表(04年5月13日)
訳 河田昌東
アメリカのバイテク・ジャイアンツ・モンサント社は、オーストラリアでのキャノーラ菜種栽培を断念した、と発表した。今週はじめモンサント社はGM小麦からも撤退すると確認したばかりだった。地球の友によれば最近のこうした動きはGM作物に対する消費者や生産者の国際的な反対の広がりを示すものだ。地球の友はEUに対し新たなGM食品や作物の認可の凍結を継続するよう求めた。EUは来週6年間続いたGMモラトリアムを廃止する決定を行うと見られている。
モンサント社はオーストラリアが、州単位でGMを禁止したり試験栽培条件を制限など、GMに対する規制強化に逆戻りしている、と非難している。ビクトリア州と西オーストラリア州では今年GMキャノーラ菜種の禁止する意向を表明した。GMキャノーラ菜種は広範に栽培が行われているカナダでも、GM汚染の広がりをもたらし問題を起こしている。多くの潜在的な市場(EUのような)がGMフリー食品を要求し、GMを拒否している。
EUは1998年以来新たなGM食品と作物の認可をしていない。これはヨーロッパにおける広範なGM反対に配慮し、食品の安全性と農業、環境をGM汚染から守るには現行の法律は不充分だ、という認識による。しかし、EUのある政治家たちは、アメリカによるWTO提訴の圧力下ではGM食品と作物を規制する新たなルールを作り、モラトリアムを終わらせる時期だ、と主張している。EUは新たなGMコーンの認可(食品としての輸入に限り)を来週にも行う考えだ。GMコーンの認可は、安全性に関する政治的、科学的コンセンサスの無い状態ではいかなるものであれヨーロッパの世論に反するものである。
地球の友のGM広報担当のピート・リリーは「モンサントがオーストラリアでGM菜種栽培を断念したというニュースはバイテク企業にとって新たな強烈な打撃になろう。GM食品と作物には世界中の人々が反対しており、われわれの食べ物や作物、農業と環境に対する懸念は広がっている。EUはこうした点を配慮し、ヨーロッパの市場へ新たなGMが新たに入り込むのを拒否し続けるべきだ」と言った。