また敗北
地球の友
2001年12月4日
訳 山田勝巳
OECDで国際交渉が決裂したのはこの3年間で二度目だ。 前回は、多国間相互投資合意(MAI)だった。 今回は、途上国で環境や社会の破壊的プロジェクトの最大資金源である輸出信用機関(ECA)の共通の環境ガイドラインを作ることだった。
MAI同様、今回の交渉も市民団体からの発言を無視するか拒否して行われている。 各国議員や民主的監視が関わらずに、密室で議案が用意されている。 OECDの環境局や他の国際機関からの提起も一括して却下された。
交渉は、最終的に米国輸出信用機関である米国輸出入銀行の高い基準が、弱い提案で覆されることを怖れるアメリカの合意否定又は棄権で不成立だった。
この件では皮肉にも、アメリカの最も伝統的な多国間相互主義、つまり、独自外交路線を行使したのだ。 これに反して、ドイツは、非干渉政策で議事進行妨害態度をあからさまにしていた。 ドイツ環境NGO BUNDのダニエル・ムッターは、「ドイツがより高い環境基準を目指した結果、復興開発欧州銀行からK2R4核プロジェクトを引き揚げた最近の枠組みと甚だしく対照的だ。」と話す。 交渉が失敗であったことを湖塗しようとする国は不誠実だと言える。
今後の鍵はOECD政府がこの問題をどう取り扱うかに掛かっている。 市民団体は、経済、社会、人権、労働、環境の課題とリンクした持続性のある開発を網羅した義務規定のある基準を作ることにOECD各国と建設的に働く用意がある。
「またしてもOECDの信頼性が問われている。」と話すのは米国環境団体「環境防衛」のアーロン・ゴールツァイマー。 「世論は、人権や環境基準を悪くするような税金の使い方はこれ以上許さないだろう。」 欠陥のあるプロセスは常に欠陥のある結果をもたらす。 OECDは、またしても大きな躓きに対する反応で、その真価を問われることになる。