ますます奇怪になるアメリカのフランケン作物
GE食品アラート<www.gefoodalert.org>
ワシントン
2003年10月30日
訳 山田勝巳
2001年から2003年中期まで米農務省が承認した人、鶏、牛、ネズミその他の動物からの遺伝子を組み込んだ作物の圃場試験がそれまでの13年間の倍以上の数になっていることが今日発表のUS.PIRGで明らかになった。
PIRGの報告書「怪奇科学:遺伝子工学の無謀な新世界」は、これまで考えられなかった自然の操作を掲載し、従来の育種と遺伝子操作の違いを特集している。また、遺伝子操作の予測できない実態を実際に圃場試験であった例を挙げて詳細に書いている。
PIRGとGM食品アラートは、組み換え食品を表示せずに販売している最大手のチェーン・クラフト社に対し、GM食品の引き上げを要求する運動をしている。「開放圃場で奇怪な遺伝子を組み合わせた食用作物を栽培するのは予測できない結果が起こりうる。バイテク業界、食品業界、米政府は人の健康と環境を守っていない。」とUS.PIRGのリチャード・キャプランは非難する。
報告された奇怪な組合せ作物の圃場試験には以下のようなものがある。
? コーンとB型肝炎ウィルスとサル免疫不全ウイルス
プロディジーン社が2001年に医薬用として許可を取ってネブラスカ州で53.5エーカーでGMコーンの栽培試験した。
? 紅花と鯉
Emlay and Associates が医薬用蛋白質を作るために鯉の成長ホルモンを紅花に組み込み、この紅花を農務省が2003年6月にノース・ダコタとネバダで11エーカーの栽培を認めた。
? 小麦と鶏
ネブラスカ大学が鶏の遺伝子を入れてカビ抵抗性を持たせた小麦を作り、ネブラスカで2002年3月から2003年8月までの圃場試験のための許可を三つ取得した。
? ネズミと大豆
ケンタッキー大学による油の特性を変えるためノルウェーネズミの遺伝子を使った大豆。
圃場試験は2003年3月から2004年5月までケンタッキーで1エーカーで行う事で許可された。
業界は、組み込み精度は高いといっているが、2000年3月にはモンサントの大豆から未確認のDNA片が発見されている。バイテク業界は、食品として未承認のスターリンクがタコスの皮に紛れ込んだり、組み換え家畜の畜産物が紛れ込む等の失態を繰り返しているのに、ネズミの遺伝子を組み込んだ大豆や鶏の遺伝子を組み込んだコーンなど、ちゃんとコントロールできない組み換え製品を表示もなしに流通するのは消費者に人体実験を押し付ける事を意味する。
米国民の80-90%は表示を望んでおり、最近米科学アカデミーは圃場試験を野放しにしている事や科学的な専門性に欠ける事に対して農務省を激しく非難している。
U.S. PIRG と遺伝子操作食品アラートは、消費者に表示による選択権を与えない事や海外の国にWTOなどを通じて押し付けている事を非難している。
U.S. PIRG は非営利の無党派の公益研究団体(Public Interest Research
Groups)です。