巨大化学企業が支援を中止
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2002年12月19日
訳 中田みち
サレイ野生生物トラスト(Surrey Wildlife Trust・SWT)への支援で批判を浴びていた農業化学会社が、スポンサーを降りることになった。遺伝子組み換え作物や殺虫剤を開発する多国籍企業、シンジェンタ社はギルドフォードへ移転した後、このトラストへの資金援助を申し出ていた。
しかし同社は、SWTのメンバーのなかに遺伝子組み換え作物を開発している会社がトラストに関わることを快く思わない人々がいることを知り、資金援助を中止した。シンジェンタ社は過去に自然保護団体を支援していた歴史があるが、それでもモール・バレーの土地を管理するSWTのパートナーとしてはふさわしくないと考える人がいるのだ。
広告主への手紙の中で、シンジェンタの渉外部長イアン・ウェザーヘッド博士は、同社が開発、販売している製品は「世界に十分な量の、健康的な食料となる作物を供給するのに重要な役割を担うものだ」と言っている。彼は、この技術が消費者に利点を紹介する機会を与えられないままに、感情的な理由で拒絶されるべきではないと考えている。しかし、彼によるとシンジェンタはこれ以上トラストとのパートナー関係を続けることはできず、SWT支援者の反応について「ただただ、がっかりした」と言う。
SWTのディレクター、ポール・ウィッカムは言う。「彼らは電話で、シンジェンタがトラストの仕事を支援するのは、お互いにとって逆効果だと言ってきた。」彼はシンジェンタが援助を中止したことを認め、同社がこの地域へ移転してきた時SWTに支援を申し出たのは、他の野生生物トラストとの関係があったからだと付け加えた。
「私達はこの申し出を考慮し、受け入れ、シンジェンタに支援してもらった『What’s On』という出版物で公表した。その言及がメンバーの中で問題になり、このことについて、10通の手紙が来た。」 ウィッカムは言う。「私達のトラストは特にここ数年メンバーを増やしており、今では10,000人を超えている。また多くの企業からも支援を受けており、企業も地元の組織で果たすべき役割があると考えている。ただ、私は『シンジェンタ社と一緒に活動すべきでない』というメンバーの意見も尊重したいと考える。」