Yahoo !News

2002821

ワシントン(Reuters Health)

訳:森野俊子

 

委員会 クローンおよび遺伝子操作食物に警告を促す

 

科学諮問委員会は火曜日、現在のところクローニングや遺伝子操作された動物、野菜、種子などを食べても、アレルギー反応や過敏症を除けば、それほど大きな害はないと報告した。

 

しかし、委員会は、生物工学やクローニング技術はあまりにも速く進歩しているので、この報告はほんの一時的なものにすぎないとも言っている。全米科学アカデミーによれば、さらに深い研究や注意が必要であるとのことだ。(ウェブサイトニュース) 「どんな新しい技術でもそうだが、何の懸念もないと明言することはほぼ不可能で、動物バイオテクノロジーのある分野では、実際に法律が絡むものも認めた。」とアカデミー委員会の議長でノースカロライナ州立大学の動物学教授であるジョン・ファンデンバーグ(Vandenbergh)博士は述べている。

 

アカデミー委員会は、バイオテク企業が医薬品を生産するために育てる動物は、食物へ転用されたり、製造設備として利用されることにより危害をくわえられたりすることのないようにするべきだと報告した。

 

FDAはクローン牛や他の遺伝子操作生物が人の食料や動物の飼料として安全かどうかを検討中なので、委員会の意見を求めた。(ウェブサイトニュース)

 

委員会は、遺伝子操作された魚、昆虫、貝や他のもっと行動範囲の広い動物は、実験室や囲いから逃げ出し、野生種にとってかわるおそれがあるので、環境に害を及ぼすと発表した。

 

そして遺伝子操作された動物、昆虫および穀物で、懸念される二つの特殊な場合を確認した。すなわち、環境に故意に放すために遺伝子操作された生物と、圃場栽培でまたは囲いの中で遺伝子操作されたが、逃げ出すか不注意にも逃がしてしまった生物との二つである。

 

ある動物や昆虫または魚が自然界に入っていくと、「遺伝子操作生物が野生種よりそこの環境に適している場合は、最終的には近縁種にとって代わったり、あるいはそこの生態系にしっかりとはいりこんでしまう」と委員会は報告している。

 

この科学アカデミー委員会の報告は、生物工学的操作でつくられた生物を食用にしたり、作物の管理に使うことに反対している団体に歓迎された。

 

「この調査は、遺伝子操作された動物が人の健康や環境に危害を及ぼすかどうかについての国を挙げての論争に終止符を打つものである」とワシントン市にある全米環境トラストのバイオテクノロジー運動マネージャーのマットランド氏は述べた。

 

「この報告はまさに赤信号を掲げた」と氏はロイターズヘルス紙に語り、これは自分や他の団体が、遺伝子操作生物に関してもっとほりさげた安全性の調査や、より広い範囲の政策を要求するための根拠になるだろうと付け加えた。

 

5月に60の環境消費者団体が、 FDAと他の4つの連邦機関に遺伝子操作魚を売ったり利用したりすることをみあわせるよう請願した。それらの団体は、マサチューセッツ州のアクアバウンティファームズオブワルトハム(Aqua Bounty Farms of Waltham)がFDAに遺伝子操作鮭の承認を申請したとき、行動を起こした。

 

アカデミー委員会は、より早くより大きく育つよう操作された鮭がもし自然界に放されたら、野生種より食物や交配相手をうまくみつけてしまうことが懸念されると報告した。

 

商業団体BIOのスポークスウーマンは、アクアバウンティはたとえそこの鮭が自然の水系に行こうとしても、飼育場からは一匹も逃げたり交配したりしないことを確実にする‘豊富な’予防策を講じたと述べた。

 

さらにBIOは、当業界は動物の福利を確保する規制を支持すると述べた。

 

 

戻るTOPへ