口蹄疫、GMワクチンそして生物戦争

ISIS(社会と科学研究所)

メイ・ワン・ホー

10月3日2001年

訳 山田勝巳

 

最近のイギリスに於ける口蹄疫の発生は、集約農業、環境テロ、世界化(グローバリゼーション)が原因だといわれている。 これは生物戦争危機を想定したGMワクチンの実験と関わりがあるのではないかという証拠が出てきた。メイ・ワン・ホーが生物戦争とGM実験の両方とも国際平和管理の下に置かなければ、災害が再発すると報告する。

 

イギリスでの口蹄疫(FMD)の発生は、収束の兆しもないまま年が過ぎようとしている。2月以来380万頭が殺処分され、推定270億ポンドの損害が発生し、家族農家と小さな事業者が困難を来たしている。

 

イギリス政府は、国民が大量屠殺に色々な意味で嫌気がさしているにもかかわらず、家畜にワクチンを投与することを執拗に拒んでいる。また、生物戦争兵器との関わりが噂されているのに、まともに調査することも拒否している。この件を調査した独立ジャーナリストのニュースが出てきた。

 

 2000年8月から9月にかけて、アメリカに本拠地のあるユナイテド・バイオメディカル社(UBI)は、O型FMDのワクチンテストを実施した。この株は、イギリスで発生したものと同じだ[1]。

 

UBIはホームペ−ジwww.unitedbiomedical.comで次のように発表している。「豚にワクチンを与え、感染性FMDV(口蹄疫ウィルス)に挑戦し、殆ど全て(46頭中45頭をウィルス感染から守り、市販のどの製品よりも効果があった。この実験は、3大陸4カ国の実験室で行われた。)

 

3大陸とは、アジア、アメリカ、ヨーロッパである。4カ国とは、アメリカ、中国、メキシコ、イギリスだ。守れなかった豚一頭はイギリスの実験室のものか。実験があったことはイギリス以外の国は認めている。

 

UBIによると以前の実験は生物隔離施設で実施されており、これにはニューヨーク州グリーンポートのUSDA(アメリカ合衆国農務省)のプラム島・家畜疾病センター、イギリス・ピアブライトのメリアル家畜衛生研究所、オランダのレリスタッド動物科学保健研究所が含まれている。しかし、メリアルUKは、UBIとのつながりを否定している。

 

プラム島家畜疾病センターは、1954年以来口蹄疫を研究してきている。ここは1982年に設置された北米口蹄疫ワクチン銀行で、アメリカ、カナダ、メキシコ用のワクチンを貯蔵している。

 

メルク社とアベンティス社はピアブライト・サレィにある政府の家畜衛生研究所の近くに口蹄疫ワクチンの生産ラボをもっている。

 

家畜衛生研究所の研究者もまた、FMDVに対する遺伝子組み換えDNAワクチンを作ろうとしていた。 FMDVはピコルナ・ウィルス科に属する。このゲノムは1本鎖のRNAから出来ており、長さは8.5kb(キロベース:訳注 8500個の塩基)、複数の蛋白質の遺伝暗号を持っている。FMDVは感染性、突然変異性が強く、主に牛、豚、羊、ヤギ等の偶蹄動物に感染する。また野生動物では鹿、らくだ、キリンなども同様に冒される。 実験室では、ねずみとハリネズミがこのウィルスに対する感染性があるが、野生では感染するかどうかは分かっていない。

 

家畜衛生研究所で作ったワクチンは、ウィルスの外被蛋白質その他の蛋白質の暗号を持つO型FMDVのプラスミドで出来ていた。このワクチンはFMDVに対して接種された動物の半数しか感染から防げず、従来の生ウィルス・ワクチンほど効果がなかった。論文には、「FMDVO1ロウザンヌ株プラスミド」を何回も豚に経代感染させて、特に猛毒なFMDV株を作るという新たな組み換えウィルスを作成のプロセスも記述している。この実験は去年10月に雑誌に投稿され、今年始めに発表されている[3]。 

 

遺伝子組み換え口蹄疫ワクチンを作る試みは、20年間続けられてきており、表面的な理由は従来の生ワクチンでは不十分だということになっている[4]。「生産の問題、生きたウィルスが放たれるリスク、不充分な不活化、抗原の不安定性そして不活化したウィルスワクチン全体の血清型間の保護ができない」等の理由である。

 

サンディ・イクスプレスが4月に伝えた所によると、イギリス政府の生物戦争研究所が行った定例在庫確認で、正式な口蹄疫発生の2ヶ月前に、口蹄疫ウィルスの容器1本が紛失していることが分かった。 更にウィルスを持った羊が発生のかなり前の2月20日2001確認されていることを記した書類を見たと伝えている。ウェールズの獣医は1月にはウィルスがウェールズに居たといっている。

 

口蹄疫はワクチンを打った家畜に使ったFMDVで発生したのか? ポートン・ダウンの株か、豚を何回も通した猛毒の株がラボから抜け出したのだろうか? 逃げ出した感染豚のワクチンだろうか、若しくは、ワクチンとウィルスで組み換えが起こった全く新種のウィルスだろうか? この疑問はウィルスか感染した家畜のウィルスの分子遺伝分析をすれば簡単に分かる。

しかし、何故どこの国にも大きな発生がないのに世界中で口蹄疫のワクチンをテストしなければならないのだろうか。 イギリスはここ34年間発生していないし、アメリカとカナダでは1929年以来発生していない。

 

イーブニング・クロニクルの調査[6]では、アメリカ、カナダ、メキシコでは去年の10月に口蹄疫模擬発生の準備を始めている。 カナダ食品検査協会からリークした文書によると、11月6日から9日に行った訓練は、「緊急事態の為の計画作りが目的」となっている。 新聞には、「この種の訓練は始めてで、実際に病気が発生した場合の緊急対応計画を試す珍しい機会を3つの国に与えるものだ。」と伝えられている。

 

同時にイギリス政府は、1967年以来発生していない口蹄疫の独自の「緊急事態計画」に備えるためだと伝えている。イーブニング・クロニクルの記事ではMAFF職員が口蹄疫の発生に備えて膨大な量の薪が準備できるか12月に業者に問い合わせの電話をかけ始めている。

 

アメリカでの悲惨なテロの数日後、議員と専門家が化学や核の他に生物兵器による攻撃があると予測している[7]。 コネチカットの共和党議員で国家安全保障下院小委員会議長のクリストファー・シェイズは、生物兵器とか化学兵器の攻撃は“もし”ではなく“何時、どんな規模で”が問題だと話した。 シェイズの小委員会は17回テロの脅威に関して調査会を開き、世界貿易センターや国防省への攻撃はテロと戦う姿勢を強くしなければならないことを強調している、と話す。

 

それは大西洋を越えて叫ばれた。 イギリス外相ジャック・ストロウは、火曜日の攻撃をした者は留まるところを知らないとして、共同の安全のために次の脅威に注意を向けるよう力説した。「狂信的で人と燃料を満載した民間機を操縦して高層ビルに突っ込むような人間は、もし手に入るなら、化学兵器や生物兵器、ミサイル、核兵器、その他の大量破壊兵器を使うのをためらうような人間の品位はないということは、誰にも明らかなはずだ。」

 

しかし、イギリスでの口蹄疫の発生が模擬生物戦争や遺伝子工学実験の不手際が原因だとしたら、テロリストの攻撃を待つまでのことではない。

 

政治指導者の本当の教訓は、政治家が全ての紛争を止める真剣な努力をして、これらの破壊兵器と危険な実験を国際的平和管理の下に置くまでは、ますます破壊力を増しているテロリストの攻撃を終わらせることは出来ないだろうということだ。

 

(マーク・グリフィスの投稿に感謝します。 nlpwessex@bigfoot.com)

 

  1.. "Lies And More Lies" by Ian Gurney, 4 September 2001,iangurney@ukwriters.net

  2.. "Lab returns to its roots, Plum Island mobilizes for its key role inwarding off

 foot-and-mouth disease" by Ridgely Ochs, Newsday September 4,2001.

  3.. Induction of a protective response in swine vaccinated with DNA encoding

foot-and mouth disease virus empty capsid proteins and the 3D RNA polymerase.

Journal of General Virology 2001, 82, 1713-24.

  4.. http://aleffgroup.com/avisfmd/A010-fmd/mod4/4500-control.html

  5..http://www.lineone.net/newswire/cgi-bin/newswire.

cgi/skynews/uk/story/2001/4/c?2001-4-8-1n29.html

  6.. "Animal Virus Ordeal Shock Report" by Nic Outterside, Evening Chronicle,

June 29,2001.http://icnewcastle.icnetwork.co.uk/0100news/0100local/page.cfm?

objectid=1112427 1&method=full

  7.. "Attack on US raises specter of germ war, or worse" by Andrea Shalal-Esa, Washington (Reuters), September 15 www.aol.com

 

 

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