GMイネ生産者ネット#164−2

02/07/17 消費者リポートより

 

厚生労働省による遺伝子組み換え食品検出調査

 

 6月21日、厚生労働省が、大豆とトウモロコシを使用した加工食品についての遺伝子組み換え検査結果を発表しました。

 

 今回の調査は、すべて表示義務の対象となっている食品で、大豆が47品、トウモロコシが26品の加工食品です。すべて「遺伝子組み換え作物不使用」表示か「表示なし」のものでした。

 

 

 結果は、遺伝子組み換え作物が検出された食品が、大豆が13品、トウモロコシで10品、計23品と多くの加工商品から検出されていました。

 

 アメリカ産の場合、分離流通されて入ってきた原料を使っているはずですが、今回の検査結果は、作付けの段階・流通の段階での混入が想像以上に深刻であることを物語っています。作付けの段階での花粉による汚染が深刻化していることが、トウモロコシ(他家受粉作物)のそれをはるかに上回っていることからも指摘できます。

 

 今年のアメリカでの遺伝子組み換え作物の作付け割合は、大豆が74%、トウモロコシが32%と拡大しています。日本は大豆とトウモロコシの大半を米国に依存しており、もはやアメリカに依存する限り、混入率は上昇の一途をたどることになることは確実です。

 

 厚生労働省は、すべての商品が5%未満であるから「違反はない」と述べています。仮にEUのように1%以上は「遺伝子組み換え作物使用」と表示しなければならないとすると、かなりの商品が「使用」表示になります。

 

 日本の5%という数字は余りにも甘すぎます。消費者は「不使用の表示を見れば0%と見てしまいますが、「不使用」表示でも多量の遺伝子組み換え作物が使われている実態が明らかとなりました。

 

 欠陥表示を変えさせていくとともに、食料の米国依存の体質を根本的に変えなければなりません。

(日本消費者連盟 古賀真子)

 

 

戻るTOPへ