神戸港で遺伝子組換えトウモロコシの自生見つかる

GMトウモロコシの自生は静岡県清水港に次いで2例目、Cry3BbMON863)の検出は全国で始めて

(安全食品連絡会の調査)

 

 1013日、J−オイルミルズ第二工場(神戸市灘区住吉浜町19-1)に始めて自生調査に行った。

同工場の深江浜町にある第一工場では、すでに3回の遺伝子組換えナタネの自生調査で陽性を確認している。

 第二工場は大豆が輸入されているため、静岡県清水港での遺伝子組換え大豆の自生の例もあり、もしかしてと現地に行った。

 豊年サラダ油の煙突がそびえ、J−オイルミルズ第二工場の正門の前に出た。正門前の道路、浜側の突き当たりは東灘トーメンサイロになっている。トラックがすれ違うのがやっとの排気ガスで汚れた道路を、大豆のこぼれ落ちがないかくまなく調べていたところ、道路の側溝(浜に向かって右)に、トウモロコシの皮をめくってそう動物か鳥が、半分食べた残骸が残されていた。そして横に100センチ〜110センチに成長したトウモロコシが生えており、約20センチのトウモロコシもくっついて生えていた。おしべは閉じたままで、溝の中にわずかに堆積した汚泥の中に、しっかり根を張り下部には2個の実をつけていた。大豆ばかり気にしていたが、まさかトウモロコシの自生を見つけるとは思わなかった。雄しべの部分と実を2個採取して冷凍保存した。

 河田先生から送って頂いた検査キットを用いて、26日冷凍保存していた検体を検査した。雄しべの部分と、実を包んだ皮の部分と実につながっているヒゲを合わせて2検体調べた。結果は「Cry3Bb」の反応が2検体から検出された。

 

 1031日、再び同じ場所にトウモロコシの自生の確認に行った。

前回、トウモロコシの茎と葉だけにして、実の部分だけ持ち帰った茎から、3個の実が成長していた。上部の雄しべも検体に使用したため種子が結実することはない。しかし、実から繋がるヒゲの色は鮮やかな栗色に光っている。3個の内1個と元気な葉も持ち帰った。

 驚いたことに前回、種子のこぼれ落ちは発見できなかったが、今回は溝の中や道路の真中を除いて両端に散乱していた(種子は持ち帰った)。

 トウモロコシの種子が散乱している道路、突き当たりの東灘トーメンサイロ出入口では、鳩が群がり車両が出入するたびに羽音を立てて飛び交っていた。また、前回発見した反対側の、西日本くみあい飼料の裏門の側溝で、約160センチに成長したトウモロコシが見つかった。しかし、実もつけず折れ曲がっていた。枯れた葉の一部と茎も採取した。

 112日、常温で保管していた枯れた葉を、前回と同様に3種類の検査キットを用いて調べた。この枯れたトウモロコシの葉からも「Cry3Bb」の反応が検出された。

 

 とっくに畑では姿を消しているトウモロコシが、悪い環境の中でも育っており、遺伝子組換えトウモロコシの強さを知った。また、種子のこぼれ落ちもあり、沢山の鳩やスズメがついばんでいることから、早急にトウモロコシの輸入会社を特定して交渉の機会を持ちたい。

                              (文責:安全食品連絡会 嶋村洋子)

 

追記:J-オイルミルズ第二工場は問い合わせに対し、「大豆しか取り扱っていない」と答えました。

 

 

 

 

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