国際条約で植物遺伝子源の保護を目指す
共同ニュース
ワシントン発
2001年11月18日
訳 山田勝巳
国連職員によると、新品種を開発する育種者は、貧しい国の農業の改善、保護、開発、訓練のために献金することを義務づける国際条約に100カ国以上が調印するとのこと。 食糧・農業植物遺伝子資源に関する国際条約は、環境破壊の中で多くの植物種が絶滅に瀕しているため、食糧と農業の多様性を保全することを目的としている。
この条約は、国連食糧農業機構(FAO)の下で7年近く交渉されてきたもので、新品種の作出に使われる植物の遺伝子源や植物の数、種子、遺伝子を保護する始めての拘束力のあるものになると、国連職員は話す。
この条約は今月始めローマで開かれたFAO会議で承認された。 116票の賛成、日本とアメリカの棄権、反対ゼロであった。 日本とアメリカの棄権は、新たに開発される作物品種の知的所有権の保護に関係していると匿名条件で職員は話す。
この条約では65種類近くの野生品種と米、麦、野菜、牧草を含む栽培品種が対象になっている。 条約では、これらの品種に対する農民の遺伝子源に対する権利と加盟国の主権を認める一方、作物の改善研究開発を保証している。
国際機関の設置が求められており、これを通して開発事業者は、利益の一部を遺伝子資源を持つ国へ寄付する。 また植物遺伝子源の保全とそのための国際的研究を促進する国際行動計画を策定することを求めている。
この条約の交渉では、富める国が土着の植物や動物種の略奪を防ごうとする途上国に対して、先進国が対抗した。