アキコ・フリッドさんからのニュース

グリーンピースのプレスリリース

2003年6月14日

訳 河田昌東

 

国連のバイオ安全議定書はアメリカ主導のGMOロビー活動を守勢に追いやる

 

03年6月14日ブルッセル発

遺伝子組換え食品及び種子を世界中に受け入れさせようとするアメリカ主導の強引なキャンペーンは、金曜日(13日)にパラオがバイオ安全議定書を批准する50番目の国になったことで後退を余儀なくされた(1)。グリーンピースはバイオ安全議定書発効を歓迎する。これは予防原則に基づき(各国が)遺伝子組換え生物を排除する主権を再確認する世界規模の最初の合法的な合意の締結である。

 議定書の重要な特色は、遺伝子組換え作物は基本的に在来種と異なり、環境と生物多様性、人間の健康に対するリスクをもたらすものだという国際社会による認識が包含されていることである。これらのリスクやその他意図しない影響により、議定書は遺伝子組換え作物と種子を慎重に取り扱うよう要求している。 議定書に調印した全ての国はGMOの長期、短期の安全性について科学的不確定性があればそのGMOを禁止または制限する権利を持つ。議定書はまた、加盟各国に対しGMOの輸入を禁止したり、高度の安全基準を課す権利を明確に支持している。

EUのGMO制限に対するWTOを通じたアメリカの攻撃は開発途上国を脅し、特にGMOを受け入れるよう脅迫する意図をもつ。バイオ安全議定書は自国の環境と消費者、農民の権利を守るためにGMOを規制し、または規制する計画はあるがWTOを通じたアメリカの報復を恐れる国々にとっては最も歓迎すべきものである」と遺伝子組換えキャンペーンのダン・ヒンズゴールは言った。この議定書を批准した全ての国々のうち3分の2以上は開発途上国であり、このことはこれらの国々が、バイオ安全措置が必要だと認識し、議定書がアメリカの圧力に対する防御として使い得ることを示している。

 

 このカルタヘナ議定書は数年間におよぶ困難な交渉の末に2000年1月にカナダで採択されたものだが、この間アメリカ、カナダ、アルゼンチン、オーストラリアによって絶えず妨害され、弱体化させられてきたのである。アメリカは国連の生物多様性条約批准の最初の一歩もこれまで踏み出してこなかった。そして同様にカルタヘナ議定書の加盟国になろうともしなかった、従ってGMOに対する議定書のもとで交渉されるべき表示義務制度を台無しに出来る立場にはないだろう。「バイオ安全議定書の効力発生は、強力な政治的意思をもって国際社会がそうした非協力的態度に対峙することが出来ることを示す。農業分野ではアメリカは今や遺伝子組換えとアグリビジネスの市場参入を制限する如何なる形の規制にも積極的に反対のキャンペーンをはる、ならず者国家である」とダン・ヒンズゴールは言う。彼はカルタヘナ議定書加盟国に対し議定書を強化し、自国の環境と農業を守るためにバイオ安全法を採択するよう呼びかけている。「議定書が効力を発したからには、議定書に基づいて効果的な実施をすることでこれらの原則を行動に移す必要がある。さらにもっと多くの国々がこの議定書を批准し、バイオ安全に向かうこの共通の認識が真に世界的な努力であるということを裏付ける必要がある」とダンは言った。

 

注:

1)生物多様性条約に向けたバイオ安全に関するカルタヘナ議定書は50カ国が批准後90日で発効する。議定書本文と付属文書は以下のサイトで:

www.biodiv.org/biosafety/Protocol/asp

 

議定書に合意をした国のリストは次のサイトで:

www.biodiv.org/biosafety/signinglist.asp?sts=sign

 

合意書を批准した国のリストは次のサイトで:

www.biodiv.org/biosafety/signinglist.asp?sts=rtf&ord=dt

 

 

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