除草剤が流産と癌に関与

 

カワンツ・L・グリフィン、

ミルウォーキー・ジャーナル・センチネル

2002年9月23日

訳 山田勝巳

 

日常的に使われている3種類の家庭用の除草剤が流産や不妊を増加させているという研究が出た。

 

政府の環境健康科学国立研究所が出す先週発行の環境健康展望(Environmental Health Perspectives)誌に発表されたこの結果は、マウスにこれらの化学物質を飲み水に混ぜて与えて得たデータに基づいている。

 

「連邦政府は、商品の種類が多く、別の要因も検討しなければならない項目が多すぎて国民を守ることができない。しかし、消費者自身はより安全で安い商品を買うことで自分を守ることが出来る。」とこの研究の共同著者であるウィスコンシン大学、マディソンの動物環境毒性学教授ワレン・ポーターは話している。  アンモニアが試験した商品と同じくらい効果があるとも言う。

 

実験では、2.4-Dとメコプロップ、ダイカンバを混ぜて飲み水に混ぜ、マウスの生殖能力を試験した。 試験した濃度は39ppbで、これは風呂桶500杯に一滴の量だ。 結果は、ごく低用量−US飲料水で許可されている濃度の1/7-で妊娠の失敗率が20%増えた。

 

この製品の安全性検査は、通常一つの除草剤だけを調べ毒性は低いか全く無いとされてきた。 過去10年間に農薬業界は、2,4-Dの安全検査に3000万ドル使ってきた。 ノース・カロライナの農学者ドン・ページは、米国ケミカルサプライヤーを代表しているが、顧客が費用負担したEPA270の安全性試験を提出しており、この薬品とそれを含む製品は安全だと確信している。 「2.4−Dの毒性が確認されたケースは自殺しかない。多量に飲めば、死んでしまう。」と去る6月に言っている。この最新の研究にはコメントを拒否した。

 

しかし、第3者が1970年代末から研究したところでは、ヨーロッパやカンサスの農場労働者で2,4-Dを使った製品を散布した人たちは、非ホジキンリンパ腫に罹る率が高いことを示している。 1990年代半ばにミネソタ大学病理学のビンセント・ガリーが行った小麦、ビート大根、ジャガイモ生産地帯で、2,4-D散布時期に子供を妊娠した労働者には奇形児の割合が2倍あることが分かっている。ガリーは、政府監督機関用の安全試験で結果が良かったのは、農場では効果を高めるために混合剤を使っているが実験室では純粋な2,4-Dを使っていたからではないかと見ている。

   

ポーターも同じ疑問をもっている。 ウィスコンシンの調査を組み立てたとき、店頭で売られているように混合剤の毒性を調べ、環境局用の単一農薬検査ではなかった。

 

(ロサンジェルスタイムスの記事による)

 

 

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