ジャスミン・ライス:アメリカ遺伝学専門家が特許は求めないと発言
バンコク・ポスト
2001年11月8日
抄訳 山田勝巳
アメリカの遺伝学専門家クリス・デレン、フロリダ大学教授は、タイの有名なジャスミン米を盗んだと問題になっているが、種は盗んだものではないし、特許を取るつもりもないと発表した。 タイ迄わざわざ盗みに出かけなくとも種は簡単に入手できると話している。
しかし、バイオタイのウィトゥーン・リァンチャムルーンは、口だけではなく、タイ植物保護委員会と契約を結んでその実を示せと言う。 特許を取らないと言うが、実際に生産されて市場に出回れば、毎年アメリカに輸出されている30―40万トンが減って、必ずタイに影響を与える。 契約には利益の分配と特許の条件が入っているという。
カルン・キッティサタポーン商務次官は、タイジャスミン米のアメリカでの開発が不法か、WTOルールに違反しないかを調査する専門家を政府が任命したと話す。 デレン博士は、タイのジャスミン米に取って代わるのは容易なことではない。 「それが出来るなら、既に誰かがやっているはずだ。カンボジア、ベトナム、ビルマ、インドネシア、フィリピンでは既に香り米を生産しているが、どれも競争にはなっていない。」と話す。
デレン氏は、自分のジャスミン米は特許を取らないし、研究に使いたい人が居ればいつでも使える。 地元品種は、商業生産までは何年も掛かると話す。 アメリカ国立米研究センターの所長ニール・ラツガーは、育種家は種をアメリカ農務省経由でIRRIから入手したとデレン氏を弁護している。 またIRRI職員と話して、種子の出所に関しては理解してもらっているし、このプロジェクトの成果として得られる米の品種に特許を取るつもりは決してないと話す。