イタリアがモンサントに禁止問題で勝利

 

アンドリューオスボーン(ブラッセル発)

2003・9・10(水)

ガーディアン誌

訳 大森智穂子

 

イタリアは、昨日、GM作物に緊急禁止を課す権利を得た。ヨーロッパ最高裁判所は、ローマ市とUS巨大バイオ企業モンサントとの苦しい論争を収めた。

 

しかし、イタリアの勝利は確定的なものではなく、一時的なものである。ヨーロッパ高裁の裁判官は、ローマ市は、いかなる緊急禁止令が課される前にも、GM製品が人間の健康に及ぼす危険性の‘詳細な’証拠を提出しなければならないといった。さらに、仮説の証拠や推測に基づいてはいけないと注意した。

GM材料が僅かに混入している製品は、法律上自動的には禁止されない。

この問題は、今になって、イタリア裁判所にさし戻され、判決を下されなければならないだろう。イタリア政府が2000年にEU内の他の場所で売られていたGMとうもろこしのいくつかの品種を禁止することに正当性を認めているにもかかわらずだ。

 

イタリア政府とモンサントはともに、昨日は勝利を主張した。しかし、反GM運動家は、イタリアの禁止令は適切に維持されることが重要だ、と強調した。 Geert Ritsema氏(FoE:地球の友、ヨーロッパの反GM活動家)は、言う。「イタリア国内では、GM技術に対して、とても懐疑的である。モンサントが何と言おうと、これらの製品が受け入れられたり、禁止令が解除されることはない。」

 

この件は、GM製品の安全性に基づき修正される予定のEU法を軸として論じられる。FoEは、製品許可を得る合法的な逃げ道を開拓しているとして、モンサントを告発してきた。「彼らがしようとしていることは、ヨーロッパの立法者によってすでに拒絶されてきた概念を使っている、彼らの製品の市場への門戸を開くことである。それは、見込みのない主張である。」Mr.Ritsema

 

しかしながら、モンサントは、勝利を確信しているといった。スポークスマン曰く、「これは、我々にとって前向きな結果である。我々は、‘イタリア’の裁判所がこれに従い、‘禁止令’が廃止されることを、予感している。」

 

この件はGMテクノロジーに関する、いくつかの異なる法律上の論争の1つにすぎない。今月の初旬、ヨーロッパ委員会は、EU地域を法令のGMフリーゾーンに変える企てを、妨げた。

 

 

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