GM作物中止呼びかけ医師会に非難
ザ・スコッツマン紙
タラ・ウーォマーズリィ 健康記者
2002年11月21日
訳 山田勝巳
遺伝子組み換え作物の即刻停止を要求したシニア医師が昨日、「足踏み」策を取るものだとして非難された。 エジンバラ英国学士院教授トニー・トレワバスは、こんな「予防的姿勢」をとって居たら進歩などはありえなかったという。
スコットランド議会の保険委員会で「全てが分かるまで何もするなという予防原則は、完全な足踏み策だ。こんな原則をまともに受け取っていたら、電気もガスも飛行機も汽車も全くなにも開発できなかっただろう。 予測して危険を見定めて、それから注意深く進める」のだと彼はいう。また、「長期的安全性については誰も保障など出来ない、有機食品だってそうだ。」と言い募る。
英国医師会スコットランド公衆衛生委員長チャールズ・サウンダース博士は、委員会に対し、監視がないことはGM作物周辺住民への影響が拾い上げられないことを意味すると言い、「国民健康サービス(NHS)には食べ物と健康に関するあるメカニズムがあり、特定の細菌や特定の条件を拾い上げやすい食品が人の健康に関係してある。 このメカニズムは、人を殺すものはよく拾い上げるが、そうでないものを拾い上げるのは比較的うまく出来ない。 私はGM試験圃場周辺住民に起こりうる異常な症状について、このメカニズムが拾い上げられるかどうか自信がない。」という。 サウンダース博士は、委員会に対し、どんな悪影響も拾い上げられるような充分に長期的で詳細に亘る適切な監視体制を取る配慮が必要だ。)という。
ロス・フィニー環境大臣は、スコットランドの医師13,500以上を代表する英国医師会が、どのリスク・アセスメントに対して反対するのか良く分からないとして「医師会の意見はいつも重大だと受け止めているが、これは規則で明確に定められた手順に則って行っていることだ。」と話す。