インターロイキン12は、DNA修復を起こして紫外線照射によるアポトーシスを抑制する

 

Nature Cell Biology

2001年11月26日号

2002年 1月ウェブニュースから

翻訳 山田勝巳

 

アガサ・シュワルツ、マークベルンバーグ、ダグマー・クルムス、ハリー・フォン・シュティーグ、カリン・グロッセ・ヘイトメイヤー、ジャン・クルトマン、トーマス・シュワルツ

 

紫外線照射によるケラチン細胞のアポトーシス(訳注:細胞の自殺)誘発は、修復不能なDNA損傷のある細胞の生存を制限する防衛現象に関係がある。 UVで起こるアポトーシスの誘発は、従って光誘発発ガン性に大きな影響がある。 

我々は、免疫調整力のあるサイトカインIL-12(インターロイキン IL-12)が、ケラチン細胞の紫外線によるアポトーシスを試験管内でも生体内でも抑制することを発見した。 IL‐12は、DNA修復の誘発によるUVによるDNA損傷を著しく減らすことができる。 これに同調して、IL‐12は、異常ヌクレオチド切除のための修復複合体に含まれる特定成分(蛋白質)の発現を引き起こした。 我々の得た結果は、サイトカインはDNA修復を起こすことでDNAを損傷するUV照射によるアポトーシスから細胞を保護できることを示している。 またヌクレオチド切除修復はサイトカインによって操作できることも示している。

 

 

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