インドでGMコットンの収量が激増

 

BBCニュース

2003年2月7日〔金〕

マーティン・ケイム、ボン大学

訳 山田勝巳

 

インドの殺虫性の遺伝子組み換え綿の収量が劇的に増えた。 

 

試験栽培では、農薬の使用量も有意に減っている。この研究の詳細はサイエンス誌に発表されている。 この研究は、特に低開発国の小規模低所得農家に有利だとしている。

 

圃場試験

 これらの農家は、大規模農家が使える農薬を代えないため病害虫被害を被ることが多い。 圃場試験は綿を生産している3つの州の150軒の農家で行われた。 研究者が栽培したのはバチルス・チューリンゲンシス(Bt)の遺伝子を組み込んだ綿。 これが、インドの作物につくボールワームの毒になる。 研究ではBt綿が2つの非組み換えの圃場の隣に栽培された。 結果は劇的だった。

 

成功

 平均増収率は80-90%で中国やアメリカで行った実験より遥かに多い。 報告では、この作物が成功したのには2つの理由があるという。   農民に健康被害のある農薬があった。 ボールワームやその他の病害虫は、インドの亜熱帯気候を好み短時間に繁殖する。また、効果的農薬の使用が少ない。  

 研究者によると、ボールワームの餌は作物だけではないという。 これは、新たな作物への抵抗力を付けるのに時間が掛かることを意味する。 ボン大学農学部の助教授マーティン・ケイムはこの報告書の主筆だが、BBCに対して「この恩恵はしばらく続くと見ている。」と話した。

 

この結果は世界の他の地域にも使えるし、同じような病害を受ける作物にも応用できると執筆者達は話している。

 

インドでは強力な反GM活動がある。 環境活動家達は、GM花粉による「汚染」でインドに生育する600近くの自然な品種の多様性が脅かされると懸念している。 GMコットンが短期的に高収量になったとしても害虫が抵抗力を着ければ間違いなく落ちると話している。

 

 

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