英医師会がGMナタネ試験禁止を要請
BBCニュース
2002年11月20日
訳 山田勝巳
スコットランドでのGM作物試験は保健衛生上の予防的処置として即刻中止すべきだと権威ある医師が発言した。 英国医師会はスコットランド議会の保険委員会で水曜、禁止の立場を明らかにした。 提出書類には、公衆衛生上「管理不十分」で即刻試験中止が必要なほど事態は「深刻」であると述べている。 英国医師会の立場は、野党にも支持者がいるが、スコットランド政府は「本質的に危険だという証拠はない」と述べている。 この医師会は、スコットランドの13,500人の医師と英国全体の80%以上の医師が加入している。 この文書では「食品としての長期的影響調査がなされておらず、抗生物質耐性が新たな病気を生み出す」懸念を表明している。
公共リスク
「危険性はまだ分からないが、GM食品から抗生物質耐性マーカーを持つ耐性菌の数が増えることは、人の健康に深刻な影響を与える可能性がある。」とし、GM試験圃場周辺の住民の健康をモニターし、もっと研究調査を行って公開情報を出すべきだと求めている。
スコットランド民族党の環境担当官ブルース・クローフォードは英医師会を支持して「公共リスクを避けるために今対応」しなければならないと言い、「GM作物がきちんと規制されていないのは明らかで公衆衛生に関するマイナス影響を十分調査していない。」と述べている。
緑の党議員ロビン・ハ−パーは、議会の審議で医師会の懸念があるのだからGM試験は止めるべきだと求めた。「医療専門家の提言を受け入れて、現在栽培中のものを鋤き込んでこれ以上植える事を許すべきでない。」と述べた。
しかしスコットランド行政府広報官は、公衆衛生が危機に曝されているとは言えないと否定する。
安全問題はない
「商業栽培前に圃場試験を行うことが充分な予防的措置である。現在試験中のGM作物が本質的に害があるという証拠はない。」と言い、また、環境開放諮問委員会、食品基準局、保険安全省等が審査していると述べ、「問題があればGM作物の栽培は推進しない。」と行政府の広報官は述べた。