イギリス食品基準庁審議会GM食品を「無罪」と判定

 

フードプロダクションデイリー 

20034月8日

FSAウェブサイトより

訳 森野 俊子

 

イギリス食品基準庁市民審議会は、昨日午後、GM食品をイギリスで購入可能にすべきだ、との評決をかろうじて下した。安全性への取り組みに対する信頼、選択の自由そして時代の流れに沿うことが、受け入れの主な理由であると述べられた。

 

一般社会の代表として選ばれた15人のスロウ出身市民からなる審議会委員たちは、3日間にわたってGM食品に関して広範囲にわたる様々な見解を聴き、フレンズオブアース、バイエルクロップサイエンス、セィンズベリーズやコンンシューマーズアソシエイションのような団体の専門の証人たちによる審議会を通して、この問題に対する理解を可能な限り深めることができた。 審議会は、またブリストル大学教授キャシイ・サイクス氏から、危険性、食品の安全性ならびにDNAについて概要を説明してもらった。 答えを出すべき問いは、「GM食品をイギリスで購入可能にすべきかどうか。」ということだった。

 

2時間の熱心な審議の後、審議会はFSA(食品基準庁)執行部長ジョン・ベル博士に判定結果を提出した。審議委員の多数は、GM食品がイギリスで買えるようにすべきだと考えた。もっとも強い少数派である6人は反対票を投じた。

 

GM食品受け入れにあたり審議会が述べた主な理由は、安全性への取り組みに対する信頼、選択の自由、 他国に遅れをとらぬよう新しい開発技術を取り入れ、時代の流れに沿うということだった。

 

しかし、イギリスへのGM食品の導入に際してはいくつかの取り組みが不可欠であることに、全委員が同意した。 市民にGMの開発やおこりうる問題点について情報を提供しつづけるための教育、GM食品の有効な表示と監視などである。GM製品には、人々がGM食品を食べるか、まったく食べないかを選択できるよう、すべてはっきりと「GM食品」との表示をすべきであると考えられた。

 

かなりの数の審議員が、長期にわたる遺伝子操作生物の安全性や倫理的側面、さらにイギリス本土でGM作物を栽培するときの環境に対する影響について懸念を表明した。環境問題はFSAの範疇にはないが、環境面への委員たちの懸念は、審議会答申の最終報告に述べられることになるだろうとFSAは語った。

 

一般のスロウ市民を代表する審議会委員には、会計士、二人の学生、主婦、タクシー運転手、自動車教習官、そして牧師といった人々が含まれていた。

 

判定にたどり着くまでの審議会の検討の様子は、FSAのウェブサイトで、48日正午より希望すればビデオ視聴可能である。

 

 

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