スウェーデン・アキコ・フリッドさんより速報

英国が加工用、飼料用のGMライスの輸入認可

2004年1月7日

Department for Environment, Food and Rural Affairs

Nobel House, 17 Smith Square, London, SW1P 3JR

Out of hours: 020 7270 8960

http://www.defra.gov.uk/news/2004/040107b.htm

訳 河田昌東

 

イギリスがGMライスの加工用と家畜飼料用の安全性評価

 

イギリス政府は今日ECに対し、バイエル社から出されていた遺伝子組換え米の加工用及び家畜飼料用の輸入の安全審査を完了し、EUの基準に適合することを確認した、と発表した。

この安全性評価はEC法による義務と政府の諮問機関(ACRE)の勧告を反映したものである。バイエル社による申請とイギリス政府の安全性評価は今後他のEUメンバー国の審査を受け包括的な決定が行われることになる。もしこの承認が得られたとしても、それはEU域内でのGMイネの栽培を認めるものではなく、人間の食用にするには別の認可が必要である。

 

EC指令2001/181によれば、GM作物の輸入または栽培の申請は全て最初の被申請国の政府によってまず評価される。従ってイギリス政府はこの申請をうけ安全性と同指令の要請について評価したものである。EC全体の決定前に他の全てのメンバー国による精査のかけられる。この精査にあたって、政府はもしEUが輸入に合意を与えるならば、このGMライスの市場流通後のモニターを行い、年次報告書を出すよう求めている。如何なる合意も新しいEUの規制で決められているトレーサビリテイーと表示義務にかんする厳密な要求に応じる必要がある。

 

ACREは政府に対し、GMライスについて次のように勧告した。

「このGMライスは人間の健康と環境に対しリスクを与えない。この製品のイギリス国内への輸入と加工は加工用と飼料用に輸入されている他の米と同等である。この結論を出すにあたりACREはACAF(動物飼料資材諮問委員会)のアドバイスを考慮した。ACREはまたこの製品の市場開放後の一般的な調査報告を毎年規制当局に提出するよう勧告した。」

 

これについて環境・農業環境大臣のエリオット・モーレーは次のようにコメントした。

「現在のEUの規制は全てのGM作物の申請に関し科学的な証拠に基づきケースバイケースで評価するよう求めている。我々はそれに従ったまでだ。我々の独立諮問委員会はこの申請について安全性に排除すべき何の問題も無い、と結論した。しかしながら我々はもしこれが市場に出ることに合意が得られれば、さらに厳密な市場調査報告が必要だとACREが勧告したことを重く見ている。GM食品と作物については誰でも信頼できる適切な情報に基づいた選択が可能である。遺伝子組換え食品は世界中でどこでも利用可能である。わが国では厳密な健康と環境への影響のテストに合格したものだけが販売されてきた。消費者は従って利用可能な最適な情報に基づき利用するか、しないかを選択できる。」

 

. 指令/18/EC 及びEC規制No1830/2003:  (省略)

編集者のための注:

研究用または商業用目的(即ち、輸入又は栽培用)のための遺伝子組換え生物(GMOs)の全ての申請に適用される基準はEC指令2001/18で始まり、その手続きは今回のLLRICE62の輸入申請にも適用された。この指令は、如何なる食品・飼料・種子、動物または細菌のGMOも、ヨーロッパの市場に出される前に、各開発過程において適切に試験され評価されることを確保する、という一般的な共通の枠組みから出発する。GM食品と飼料に関する新たな規制を含む、特定生産物分野を支配する全ての他のEU諸国の法律は、少なくとも指令2001/18と同等に厳格でなければならない。それは健全な科学的証拠に従った透明性のある、かつケースバイケースのEU全体の安全性評価に基づいている。一旦GMOに対し適切な合意が得られたなら、それらは輸入可能になり、合意の条件が許せば、EU域内のどこでも栽培でき、他の種子や農薬、あるいは関連する新たな食品にも適用される。LLRICE62について言えば、この申請は輸入についてだけ適用され、栽培には適用されない。この申請とイギリスの安全評価は今後全ての他のEU加盟国での決定に先立って考慮されるだろう。如何なる合意もGMOのトレーサビリテイーと表示に関するより厳格で包括的な要請に適合するよう最近改定された指令の条件に合わなければならない。

 

2.さらに、関連するEUのGMOに対する二つの新たな規制が11月7日に正式に効力を持った。一つの規制は、如何なるGM製品に関する既存のトレーサビリテイーと表示のルールよりもさらに精密にかつ拡張され、もう一つの規制はGM食品と家畜飼料の認可と表示のためにより集中化された特別な制度を、新しいヨーロッパ食品安全庁(EFSA)に集中させ発足させる。輸出業者と生産者、流通業者は、トレーサビリテイーを促進し、最終的な消費者に与えられる表示情報を確保するために、GM含量又は製品の由来に関する供給チェーン情報を保存し引き継ぐよう要求されるだろう。

 

3.この二つの規制は現在法的強制力を持つが、その実際の要請はEU加盟国と個々の利害関係者にのみ2004年4月18日から適用されるだろう。昨年末、DEFRAと食品基準庁は、その十分な遂行のための全ての実際的な側面について、関係する代表者らと面談・協議し、既に正式な書面による協議が始まっている。

 

イギリス政府の安全性評価とACREの勧告は以下のサイトで閲覧できる。

www.defra.gov.uk/environment/gm/regulation/euconsent.htm

 

終わり

 

(訳注:河田)

今回認可されたバイエル社のLLRICE62は、現在同社の子会社であるアヴェンテイス・クロップ・サイエンス社の開発した除草剤グルフォシネート耐性イネである。

 

 

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