ストップ組み換え栽培!NEWS 12  

2003年8月17日

『遺伝子組み換え作物いらない!茨城ネットワーク』

 

滋賀県のGMダイズ栽培続報

地元JAおうみ冨士が、刈り取って埋め込むように要請

 

お盆休み中にキャンペーンの天笠さん、滋賀環境生協の藤井理事長さん、滋賀県オブズマン浅井さんらが動いてくださり、かなり早い対応ができつつあるようです。その結果、地元JAおうみ冨士が、グリーンちゅうずの田中良隆氏に対して刈り取って埋め込むように要請し、拒否した場合は中主町の農産物を取り扱わないという決定までしたとの連絡です。

 

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 この株式会社「グリーンちゅうず」は、「@JA組合員の離農傾向にともなう未耕作農地の増大と、その維持管理の期待の高まりや地域農業の担い手の高齢化および担い手不足から、平成3年にJA主導で作業受託の法人(有限会社グリーンちゅうず)を設立した。A法人が地域農業の担い手、JAがその補完役とお互いが独立した組織・協力関係を維持し(=「もちつもたれつ」の関係)、お互いが得意分野で機能を発揮しながら、地域農業の維持に貢献している。」という内容で、資本金1000万円のうち、JAおうみ冨士が250万円、元農協組合長がこの会社の代表取締役会長になって240万円を出資し、町会議員の田中良隆氏が社長になるという、地域ぐるみで衰退する農業をなんとかしようということの結果がこうなってしまった様子が伺われます。

 

「農地保有合理化事業」としてJAが生産法人に出資するなど連携した取り組みとして全国に紹介されていますが、そのJAが「拒否した場合中主町の農産物を取り扱わないと決定した」というのも何か腑に落ちない感じはします。

 

 私はJAのこうした動きはよくわからないのですが、私たちの茨城ネットワークのメンバーの「JAやさと」の萩原組合長は以前からこうした農業の株式会社化にとても危機感をもっておられて、「農協の存亡にかかわることだ!」として、どういう農協にならなければならないか、組合員が高齢化する中で10年後を見据えてどのような地域農業の施策を農協としてすすめて行かなければならないかを、生協との産直協議会の中で熱く(というかドスのある腹の据わった語り口で)語っていました。

 現在八郷農協は、合併を拒否し、中堅の農業者を核にしながらも、若い有機農業就農者も積極的に受け入れ育成し、お年寄りが作る少量の作物も出荷販売できる体制をとって本当に幅のある事業をすすめています。

 茨城ネットワークの事務局のJAやさとの柴山さんは、「お年寄りから若い人までが居て、はじめて地域農業の基盤になるんです。単一作物化・産地化させずに少量多品目こそが地域の農業と自然の多様性を守り受け継いでゆく道なのです。こうした多様性のある地域こそが地域のみんなが生きてゆける基礎なのです」と静かに語ってくれた以来、こういう組合長さんや職員さんがいる農協とならいっしょに地域づくりができると確信して今に至っています。

 こうした背景があって、JAやさとさんはいろいろな立場があるはずなのに、「遺伝子組み換え作物いらない茨城ネットワーク」に公然と名前を連ねています。

 

一度、こうした「地域農業づくり」についても議論の俎上にのせておく必要があるように思います。今回のJAと農業株式会社の問題は、日本の農業の実態、農業の主体者として思わぬ落とし穴だったような気がしています。食糧自給等の問題は、日本の地域農業のこの現実と実態をどうするかに実は核心があるように思います。

 

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■三重県の廣さんから連絡があり、8/16付けの中部新聞に大きく「遺伝子組み換え大豆栽培 岐阜の農家 県の要請で自主廃棄 滋賀でも試験栽培」とう記事を送ってくださいました。

 

■東京の星野さんからも、東京新聞の投書欄に載ったものも頂きました。

 

7/31に要請してあったモンサントとの交渉の具体的な日程を要求しています。あの河内圃場の農水との顛末もまだ報告できていません。あそこを何とかしなければと、盆明けには動かなければいけません。

 

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■今回の滋賀のことで「茨城ネットワーク」でも下記に要請、抗議と要請をおこないました。いろいろな抗議や要請が各方面からすでに送られている様子ですが、もしこれからの場合と思い、念のため記載しておきます。

 

【滋賀県知事】

知事 國松善次

[知事への手紙についてのお問い合わせは]

滋賀県広報課

520-8577 大津市京町4-1-1 電話:077-528-3046

 

※下記のアドレスで知事宛のメールを送れます。

http://www.pref.shiga.jp/chiji/

http://www.pref.shiga.jp/chiji/tegami/advice.htm

 

【中主町】

中主町長 田中政之

520-2492 滋賀県野洲郡中主町西河原2400 中主町役場 企画財政課

TEL:077-589-2512/FAX:077-589-5444/E-mail:info@town.chuzu.shiga.jp

 

【おうみ冨士農業協同組合】

代表理事組合長 吉川 善治

524-0021  滋賀県守山市吉身3丁目7-6

TEL:077-582-3401   FAX:077-582-3404

E-mail:kikaku@ohmifuji.jas.or.jp

 

 

【日本モンサント株式会社】

代表取締役 山根精一郎

tel:03-6226-6080 fax:03-3546-6191

104-0061 東京都中央区銀座4-10-10 銀座山王ビル8F

 

パブリック・アファアーズ部 バイオ作物情報室

室長 坂本智美

tel/03-6226-6083(直通) fax/03-3546-6191

tomomi.sakamoto@monsanto.com

 

【バイオ作物懇話会】

代表:長友勝利

自宅:〒880-0035 宮崎県宮崎市下北方町高下6122

tel/fax:0985-27-1600  携帯:090-2633-3360

 

【グリーンちゅうず】

代表者氏名 代表取締役 田中 良隆

滋賀県野洲郡中主町堤2263−2

TEL.077(589)4000 FAX.077(589)6000

 

以下、上記に出した「抗議と要請」、ならびに「要請」です。

(中主町町長、おうみ冨士農協宛は、滋賀県知事宛のものを改変しています。但しJAおうみ冨士宛には「JA出資のグリーンちゅうずが・・」ということを付け加えています。)

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日本モンサント社 代表取締役 山根精一郎殿

バイオ作物懇話会 代   表 長友勝利 殿

グリーンちゅうず 代表取締役 田中良隆 殿

 

抗 議 と 要 請

 

 茨城県谷和原村に続いて、滋賀県中主町で7月下旬「遺伝子組み換え大豆」が播種されたことを確認しました。

 人為的に遺伝子を操作する「組み換え技術」とその「食品を摂取する」ことは、地球の生物の歴史や人間の歴史から見たときまだわずか数年で、まだ未解明の部分の多い「技術」として長期摂取の影響や自然や生物の多様性を破壊してゆく危険性が指摘されています。

 

 わたしたちは、これまで輸入される遺伝子組み換え食品や飼料についての安全性を危惧しており、生産者・生産団体も国内では遺伝子組み換え作物は作らないことを掲げ、消費者も国内産への信頼をしてきました。今、日本の消費者も生産者もこの組み換え作物を「食べたい」「作りたい」「今なんとしても必要だ」とする人はいません。複雑な生物に対する技術への「慎重な態度」や「予防原則」は日本の国民的な合意となっております。

 

 国・農水省も昨年11月、消費者の不安や生産者団体の方針に配慮して「我が国の国産大豆については組み換え大豆でないことが販売戦略になっており、生産者団体も組み換え大豆は一切取り扱わない方針となっていることから」「安全性が認められた組み換え大豆であれ」「大豆一般ほ場で栽培される以上、万が一でも周辺の非組み換え大豆との交雑や収穫物の混入といったことが起これば生産・流通上の混乱を招かないとも限りません。」したがって「栽培にあたっては周辺地域、住民の理解を十分に得るとともに、栽培地が属する都道府県の大豆の生産流通部局、JA等の関係者、事前の栽培に関する情報提供が必要」「交雑・混入防止措等の措置について十分徹底」するよう、モンサント社ならびに各農政局・都道府県に通知しています。

 

 しかし貴殿たちは、茨城県における混乱の社会的責任の明確化も事後処理もきちんとしないまま、今度は滋賀県にまわって再び周辺地域住民や県や町、JA等関係機関への事前の報告も合意もないまま播種するというこのようなやり方は許し難い行為と言わざるを得ません。貴殿たちは、日本のこうした社会的な状況や、周囲への交雑への心配に配慮することなく、「新しく迎えた21世紀には世界的な人口増加による食糧不足や環境汚染などの問題を解決するため、また農業や医療技術の発展のためにはバイオテクノロジーの技術は欠かすことが出来ない」との主張の下、「新しい技術を実際に利用して見ながら、この技術が日本の農業に役立つものか、消費者にとっても受け入れられるものかどうかを判断したい」として、きちんとした社会常識的な手順と合意をはかることもしないまま勝手に播種し、あとから「撒きました、報告しました」として、周囲の意見や心配は無視して「連絡しさえすればあとは勝手」という態度で事をすすめており、これは社会的に許されることではありません。

 

 生命に対する勝手な「商業特許」を獲得し、ここまで日本社会の慎重な姿勢を無視して強硬に事をすすめようとする背景にはモンサント社の世界的食糧支配戦略や金の動きに対する社会的な疑惑を持たざるを得ません。バイオ作物懇話会はモンサント社の手先として、日本の食糧やいのちに対する挑戦です。

 

 一度組み換え遺伝子が日本の野に放たれたら、植物の交配によってその遺伝子汚染は数年のうちに日本中が交雑し、日本の気候風土の中で大切に育種され守られてきた在来種は、みなこのモンサント社の除草剤耐性や抗生物質耐性の遺伝子が入ってしまうことになります。国内の作物が、誰も好まないのにモンサント社の遺伝子によって汚染されてゆくということはゆゆしき事態です。日本の在来の作物をこの遺伝子で勝手に交雑汚染させる権利は貴殿たちにはありません。

 

 モンサント社・「バイオ作物懇話会」ならびに当該栽培者は、直ちに播種した種ならびに発芽した苗を収集し、焼却処分することを求めます。

 

                             以 上

 

2003年8月17日  

 

「遺伝子組み換え作物いらない!茨城ネットワーク」       

つくば環境と人権のための市民会議  代 表 中島 スミ子

八郷町農業協同組合(JAやさと)  組合長 萩原  久 

日本有機農業研究会(八郷町在住)  理 事 魚住 道郎 

北浦・微生物農法の会        代 表 長島 昌裕 

砂長商店(米穀/水海道市)      代 表 砂長 弘一 

常総生活協同組合          理事長 畠山 智子 

(連絡先:常総生活協同組合/専務理事大石/0297-48-4911)

 

 

 


滋賀県知事 國松善次 殿

 

滋賀県における遺伝子組み換え大豆栽培に関する要請

 

 私たちは、「遺伝子組み換え作物」の栽培による日本の在来種への交雑を危惧し、その国内栽培に反対してまいりました茨城県の団体です。

 先般8月13日農林水産省技術会議事務局との協議をしていた中で、茨城県谷和原村での混乱後、滋賀県中主町で7月下旬「遺伝子組み換え大豆」が播種されたとのことを聞きました。

人為的に遺伝子を操作する「組み換え技術」とその「食品を摂取する」ことは、地球の生物の歴史や人間の歴史から見たときまだわずか数年で、まだ未解明の部分の多い「技術」として長期摂取の影響や、土壌微生物への影響、自然や生物の多様性を破壊してゆく危険性が指摘されています。アメリカを中心とする外国での1996年以降の栽培の結果では、収量は落ち、除草剤耐性の雑草が発生してかえって農薬の使用料が増加、また農家はモンサント社などの企業によって種を独占管理させられ農薬を買わされる結果となっています。さらに周辺の汚染された農家が突然モンサント社から特許権侵害として賠償請求されるというとんでもない事件まで起こしており、社会的混乱、自然生態系の攪乱の事態が引き起こされています。

 

 わたしたちは、これまで輸入される遺伝子組み換え食品や飼料についての安全性を危惧しており、生産者・生産団体も国内では遺伝子組み換え作物は作らないことを掲げ、消費者も国内産への信頼をしてきました。今、日本の消費者も生産者もこの組み換え作物を食べたい・作りたい、必要とする人はいません。複雑な生物に対する技術への「慎重な態度」や「予防原則」は日本の国民的な合意となっております。

 

 ところが、「バイオ作物懇話会」なる任意団体が、農薬会社「モンサント社」から組み換え大豆の種を無償でもらって日本で栽培しようという動きが数年前より出ており、今年は納豆の大豆を栽培している私たちの茨城県で周辺地域住民や県・町・JA等関係機関の了解も得ないまま栽培を強行し、花粉の飛散と周辺栽培への交雑を危惧する周辺農家・市民によって鋤込まれました。そこでバイオ作物懇話会は急遽、会員のいる滋賀県の中主町での播種をおこない、あくまで国内での試験栽培を行おうとしていると聞きます。

 

 一度組み換え遺伝子が日本の野に放たれたら、植物の交配によってその遺伝子汚染は数年のうちに日本中が交雑し、日本の気候風土の中で大切に育種され守られてきた在来種は、みなこのモンサント社の除草剤耐性や抗生物質耐性の遺伝子が入ってしまうことになります。国内の作物が、誰も好まないのにモンサント社の遺伝子によって汚染されてゆくということはゆゆしき事態です。長い歴史の中で日本人が育んできた大切な日本の在来の種と作物をこの遺伝子で勝手に交雑汚染する権利は彼らにはありません。

 

 農薬の多国籍企業である「モンサント社」は、遺伝子組み換え大豆の国内栽培を禁止したブラジルにおいて、生産者に違法に作付けさせて、ブラジル国内の大豆への交雑汚染を引き起こし、もってブラジル産大豆は組み換え遺伝子が拡散し、モンサント社の農薬が売れるという事態に至ってしまっています。今モンサント社はブラジルと同じことを日本でもやり、実質的な輸出障壁となっている消費者の遺伝子組み換え食品への不安を足元から崩し、国内栽培を破壊して日本への組み換え大豆全面輸入の道を開き、さらに農薬ラウンドアップを売らんとする意図が伺えます。いのちの糧である食糧を「儲け」の道具にし、生命に勝手な「商業特許」を付け、他を汚染することを省みない多国籍企業のやり方は、明らかに日本への挑戦であり、「いのち」への挑戦です。

 

 国・農水省は昨年11月、消費者の不安や生産者団体の方針に配慮して「我が国の国産大豆については組み換え大豆でないことが販売戦略になっており、生産者団体も組み換え大豆は一切取り扱わない方針となっていることから」「安全性が認められた組み換え大豆であれ」「大豆一般ほ場で栽培される以上、万が一でも周辺の非組み換え大豆との交雑や収穫物の混入といったことが起これば生産・流通上の混乱を招かないとも限りません。」したがって「栽培にあたっては周辺地域、住民の理解を十分に得るとともに、栽培地が属する都道府県の大豆の生産流通部局、JA等の関係者、事前の栽培に関する情報提供が必要」「交雑・混入防止措等の措置について十分徹底」するよう、モンサント社ならびに各農政局・都道府県に通知していました。 しかし、今回の滋賀県でもモンサント社ならびに「バイオ作物懇話会」は、茨城県と同様に、周辺地域住民や貴県や町、JA等関係機関への事前の報告も合意もないまま播種していると聞いており、このようなやり方は社会的に許されるものではありません。そして、多国籍企業モンサント社の日本の在来の作物への遺伝子汚染を引き起こす意図に対し、日本の食糧生産を壊滅させる事態はなんとしても避けなければなりません。日本の豊かな自然環境に育まれた種や食糧、生物多様性を大切にし守ってゆくことを大事にしなければなりません。

 

 貴県におかれましては、モンサント社、「バイオ作物懇話会」ならびに当該栽培者に対して、直ちに播種した種ならびに発芽した苗を収集し、焼却処分することを求めて頂けますようお願いする次第です。

                                           以上

 

2003年8月17日  

 

「遺伝子組み換え作物いらない!茨城ネットワーク」

つくば環境と人権のための市民会議  代 表 中島 スミ子

八郷町農業協同組合(JAやさと)  組合長 萩原  久 

日本有機農業研究会(八郷町在住)  理 事 魚住 道郎 

北浦・微生物農法の会        代 表 長島 昌裕 

砂長商店(米穀/水海道市)      代 表 砂長 弘一 

常総生活協同組合          理事長 畠山 智子 

(連絡先:常総生活協同組合/専務理事大石/0297-48-4911)

 

 

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